ハナちゃんを新しい家へ運搬し、部屋で離すと、当初は慣れない環境に戸惑っていた。家の中は引っ越し直後という感じ。ふと壁に掛けられたカレンダーを見ると、たくさんのメモ書きがあった。
“ハナ〇〇日目 〇〇~〇〇時”
ハナちゃんを探すための記録がみっちり書かれていた。その他の情報もいろいろと記され、「木村」という私の名前もあちこちに書かれていた(笑)。毎日毎日、奥さんの面会や用事をこなしながら、体がボロボロになっても必死で愛猫を探していたことが、このカレンダーからも伝わってきた。ハナちゃんへの愛情に感動するとともに、優しいおじいさんをお手伝いできたことがとても嬉しく、感謝の思いだった。
ハナちゃんが帰って来られたのは飼い主さんの愛情が全てだろう。落ち着きを取り戻したハナちゃんは、数時間後には足にスリスリしてきたという。ハナちゃんは今もおじいさんと一緒にまったりとした時間を過ごしている。