世界が絶賛するオーストラリア最高級ワイン…女性醸造家が伝えたい「本当の楽しみ方」とは

広畑 千春 広畑 千春

 2018年の貿易統計ではワインの輸入国はトップがチリで3割を占め、オーストラリアは4%。総量は多くありませんが、近年は特に中・高級ワインが人気といいます。「オーストラリアのブドウはさんさんと照る太陽を浴びて育つんです。土地自体も広大で、さまざまな味わいのブドウができる。その中から自分の好みを選べるのが特長」とウエルズさん。

 特にペンフォールズのある南オーストラリア州は、地中海性気候に属しますが、地域により雪が降るほど冷涼だったり海が近かったり微妙な違いが。土壌も石灰質や赤土、世界最古の土壌の一つもあり、「私たちがつくるワインは香りが複雑で、味わいも奥深く何層にも重なる楽しさがある。私たちは常に新しい産地を追い求めていますし、その土地ごとに育まれたブドウが醸し出す多様性を楽しんでもらえたら」と微笑みます。

 ただ、最高級ともなると、そうそう味わえるものではないのも事実。でも「ワインはグラスに注いでからも、その中で香りが変わっていくんです。若いワインはさわやかな香りと果実味があり、熟成すればまた、複雑味が増し熟成香や味わいもゆたかになっていく」とウエルズさん。「お友達と一緒に、一日の終わりに食事をしながら楽しむ。それが、私たちが本来あってもらいたいと願う、ワインの楽しみ方なんです」と話してくれました。

 うんちくを語り始めたらキリがないワインの世界。それが分かる舌と財力があれば言うことはないですが、大切なのは、その場にいるみんなが楽しめること。そろそろ、忘年会の季節。そのボトルやグラスの向こうに、ちょっと作り手の顔が浮かぶと、飲み過ぎ・悪酔いも減るかも…しれませんね?

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