高校球児の聖地に“アジア最高”の歌声が響く 安全地帯が甲子園球場で初ライブ

黒川 裕生 黒川 裕生

「ワインレッドの心」や「悲しみにさよなら」など、時代を超えて愛される数々の名曲で知られるロックバンド・安全地帯が16日、バンド史上初となる阪神甲子園球場でのライブ「さよならゲーム」を開催した。バンド単独でのスタジアム公演は、1985年8月の横浜スタジアム以来、実に34年ぶり。82年のメジャーデビューから一度もメンバーを変えずに活動を続けてきたが、今回はドラムスの田中裕二が脳内出血で入院したため、残念ながら欠席。それでも雲ひとつない秋晴れの球場には、米国billboard誌などに「アジア最高のヴォーカリスト」とも称されるリーダー玉置浩二の歌声が力強く響き渡り、3万5000人のファンを魅了した。

開演予定時間の午後3時を少し過ぎた頃、スコアボード前に設営されたステージに矢萩渉(ギター)、武沢侑昂(ギター)、六土開正(ベース)が登場。少し遅れて玉置(ボーカル・ギター)が姿を見せると、アリーナとスタンドを埋めたファンからどよめきと大きな拍手が沸き起こった。

演奏は「We’re Alive」からスタート。6曲目の「熱視線」では、玉置のカウントに合わせてステージが巨大な火を何度も噴くド派手な演出も飛び出した。MCは一切なかったが、玉置は何度も歌詞の一部を「甲子園」に変えてファンを沸かせた。

終盤、「真夜中すぎの恋」では玉置がステージを降り、ギターを抱えたままグラウンドを、否、アリーナの外周を疾走。スタンドも総立ちになった状態のまま次の「じれったい」に突入すると、ファンの興奮は最高潮に達した。

田中裕二に代わり、この日のドラムスはホセ・コロンが担当。だがメンバー紹介の際には、玉置がドラムスのスティックを高く掲げて「ドラムス、田中裕二!」と叫び、ファンも熱い拍手と歓声で応じた。本編のラストを飾る「ひとりぼっちのエール」が演奏される頃には日が傾き、すっかり夕暮れの空気に。客席のあちこちでスマホのライトが輝き始め、黄昏の会場は星をちりばめたようなロマンティックな雰囲気に包まれた。

アンコールは、阪神甲子園球場らしくジェット風船が飛び交う中で「I Love Youからはじめよう」。最後は名バラード「あの頃へ」で貫禄のステージを締めくくった。

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