白髪を活かしてスタイリッシュなデザインに ハイライトを駆使した「白髪ぼかし」が人気

鶴野 浩己 鶴野 浩己

 最近は、美容にもファッションにも気を配る、美しいオトナ女性が増えている。そんなオトナ女性たちの悩みの一つが目立ってきた白髪。40代、50代はもちろんのこと、30代から白髪が気になり始める人も少なくない。

 白髪を隠すには、白髪染めが必須。しかし、しっかり根元から染めてもらっても、3週間もすれば生え際の白髪が目立ち始める。何より、「白髪染め」という言葉の響きが、いつまでも若々しくありたい女性の心を萎えさせる。

  愛媛県四国中央市の美容室「Atrlier Funny(アトリエファニー)」では、ハイライト技術を駆使することでコンプレックスになりがちな白髪を逆に活かし、スタイリッシュなカラーデザインに生まれ変わらせている。

 ハイライトとは、コームで少量の毛束を取りながら、ブリーチ剤で部分的に明るい箇所を作る手法。同美容室では、白髪が目立つ箇所を中心に髪全体にハイライトを施し、白髪と黒髪の境目をぼかしている。白髪染めを使用しないので白髪が黒くなるわけではないが、明るいハイライトが髪全体に散りばめられることで白髪が目立たなくなる上、「あえて狙った」スタイリッシュなデザインに見せることができるのだ。

  さらに、新たに生えてきた白髪まで目立ちにくくなるのが、この技法最大のメリット。暗い髪色の中で生えてくる白髪は目立つが、明るい髪色の中で伸びてくれば目立たない。ハイライトのコントラストが気になる人には、ブリーチする毛束幅を狭くしたり、髪色のニュアンスを変えるトナー剤を仕上げに塗布してコントラストを調整。ハイライト後に一般的なファッションカラーを楽しめるのも嬉しいポイントで、ファッションカラーが得意とする透明感を感じさせる色味にも挑戦できる。もちろん、カラー剤を重ねてもハイライトのデザインはキープ。ファッションカラーは白髪染めに比べてカラーラインナップが豊富なので色の選択肢も一気に広がりそうだ。また、ハイライトの縦筋が生み出す視覚効果で、髪の立体感やボリュームが増して見える効果も。何より、「白髪を隠しに」美容室に行くのではないということも、オトナ女性の気持ちをポジティブにさせる。

  今年の夏から本格提案を始めたというこの技術。これまでのべ100人強に施術をし、11月現在ですでに半数以上の客がリピートしている。「知人に褒められた」「立体感が出た」「スタイリッシュなイメージになりおしゃれも楽しくなった」「自分にはない発想。提案してくれてよかった」など、評判も上々だ。

 「わたし自身が若い頃から白髪に悩んでいていた一人なのです」と話す、店長の佐々木めぐみさん(41歳)。そんな中、10年ほど前に日本ヘアカラー協会(東京都港区)の会員になり、様々なカラーリング技術を学んだ。そこでヒントを得たのが、白髪を活かすハイライトの使い方。よりスタイリッシュなデザインとして提案できるよう、薬剤や色味について研究し、自分の髪でも試行錯誤を重ねたという。「白髪をぼかすだけではなく、加齢とともに減っていく髪のボリューム感までアップして見せられる手法。美意識の高い女性にぜひ挑戦してほしいです」と笑顔で語る。

 ネットで好みのハイライトカラーの画像を探し、それを提示して「こんな感じで、白髪が伸びてきても気にならないように仕上げてほしい」と伝えれば、行きつけの美容室でもオーダーは可能。「白髪を隠すのではなく活かすことで、自信をもってキラキラ輝く女性が一人でも増えてくれれば嬉しいです」(佐々木さん)。

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