暗くなると警察官に見える?「おまわりさんまもってトート」考案したママ社員たちの思い

広畑 千春 広畑 千春

日が暮れるのが日ごとに早くなる季節。暗い道を帰ってくる子どもたちが心配な方も多いのではないでしょうか。そんな中、ホンダが制作したあるトートバッグが話題を集めています。青い布に暗闇で光る反射材をV字に縫い付け、さらに赤い反射材も…。お裁縫が苦手でも簡単に作れて、ほら、何かに似てませんか?―そこには、自身も就学前の子どもを持つママ社員の思いが込められていました。

そのかばんは、その名も「おまわりさんまもってトート」。モデルはそう、警察官です。9月にあった秋の交通安全運動に合わせて1000個限定で制作し、東京都内の店舗で100個を無料配布したところ、6時間で終了。港区内の保育園の5歳児やウェブ上でも配布したところ予想以上の反響で、すぐになくなってしまったといいます。

発案したのは自身も来年入学を控えた息子を育てる、ホンダ広報部の坂実沙子さん。きっかけは交通事故をめぐる「魔の7歳児」の話でした。

交通事故総合分析センターの2015年の分析では、歩行中の交通事故死傷者で最も多いのは7歳児。月別にみると夕暮れが早くなる10月に急増しており、特に学校の下校時刻に当たる午後2~6時台に全体の68%の事故が発生していました。

ホンダは長年交通安全運動に取り組んでいますが、「お恥ずかしながら、この事実を全く知らなかったんです」と坂さん。「自分も経験がありますが、子どもって目の前のことに興味があったら衝動的に動くし、めちゃくちゃ視野が狭い。普段から信号を守ることや、車に気を付けるようにと口を酸っぱくして言っているんですが、ヒヤリとすることもたびたび」といい、「うちの子も小学生になったらどうなるんだろうと不安になり、ドライバーの方も親御さんも、多くの人に伝えなくちゃ!と思って」と振り返ります。

そして思い当たったのが電信柱などによく貼られている、警察官に似せた反射材でした。「自分もドキッとするし、やっぱりドライバーにとって一番怖いのはお巡りさんかな、と(笑)みんなの注意が引けて、お巡りさんのように子どもたちを見守ってくれるものが作れたら」と社内のプロジェクトメンバーに提案。同じく子育て中の社員も多かったことから「お道具箱などを入れる手提げかばんは入学準備で絶対必要」「肩掛けトートなら持ったときちょうどお巡りさんに見える」と次々にアイデアが生まれ、より多くの人に広がるようにと、形や作り方はできるだけシンプルにこだわったといいます。

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