1匹だけだと寂しそう。東京都に住む白鳥さんは、そう思ったのをきっかけに2匹目の保護猫を迎えることにした。最初の頃はシャーシャー言ったり、にらみ合いをした2匹だが、いまでは、本当の兄弟のように仲良く暮らしている。
多頭飼いをしよう
2014年6月、ことらくんは、お母さん猫とはぐれて東京の住宅地にいたところを近所の人に保護された。しかし、保護主さんは猫を飼うことができなかったので、「ゆめネコ譲渡会」という保護団体にことらくんを託した。
その頃、東京都に住む白鳥さんは、らっくんという保護猫を飼っていた。
「らっくん1匹だけだと、なんだかつまらなさそうだったんです。獣医さんにも太らせないでと言われていて、周りの猫好きの人にも「2匹目を飼ったほうがいい」と勧められたので、猫を探していたんです」
らっくんが生後2カ月半だったので、白鳥さんは生後3カ月くらいになるまでに、同じくらいの月齢の子を迎えようと思っていた。
最初、譲渡サイトを見て検索したが、なかなか1匹選ぶことができなかったという。近隣で募集していてらっくんと月齢が近い子という条件で絞り込むと、最初に出てきたのがことらくんだった。
「なんだこれ?小さいのが来たぞ」
2014年9月、白鳥さんは、ことらくんに会いに行った。会ったことはないが、心の中ではことらくんを飼うと決めていた。
「ゆめネコ譲渡会さんのスタッフさんには、小さすぎてまだ性別が分からない、暴れん坊で抱っこもむずかる、飼うのは難しいかもしれないと言われたんです。抱っこしてみると、じっとしていなくて体をよじ登ってくるような子でしたが、可愛かったので、大丈夫です!と言って譲渡してもらいました」
ことらくんは、白鳥さん宅に来てもひょうひょうとしていた。預かりボランティアさんのところにいたからなのか、人なれしていた。一方、先住猫のらっくんは、自分より小さな猫に会うのは初めてなので、「なんだこれ?小さいのが来たぞ」という感じで怖気づいていた。
らっくんとことらくんは、一度だけにらみ合いをしたことがある。20分くらいにらみ合いをしていたが、ことらくんが「お兄ちゃん、何をしているの?」と座って寝てしまったのでけんかは終了。以来、2匹は仲良くなったという。
ここは夢の国
先住猫のらっくんは、弟分のことらくんにいろいろ命令する。特に、やってはいけないことをやりたい時、ことらくんにけしかける。らっくんが「このドアを開けると楽しいよ」と言い、器用なことらくんがドアを開けるといった具合だ。ちなみに、らっくんは自分では引き戸を開けられないそうだ。
ある日、ことらくんとらっくんが電気給湯器の中に入ってしまい、出すのに一苦労したことがある。いまだに2匹は電気給湯器の中に入りたくて入りたくてニャアニャア鳴くが、白鳥さんは、2匹に「ここは夢の国、まぼろし~」と言っている。電気給湯器の点検の日は、2匹とも別室に閉じ込められる。