好きな料理を簡単に取り寄せられると注目のフードデリバリーサービス「Uber Eats(ウーバーイーツ)」ですが、配達の際のトラブルも相次いでいるようです。
私の友人も「うどんを注文したら、出汁がこぼれてぐちゃぐちゃ」という目に遭ったことが。そのときは飲食店側が配達員に「汁物」とキチンと伝えていなかったのが原因だったらしい。そう考えると海外ではそばやうどん、ラーメンというように汁たっぷりのメニューは少ないかもしれませんが、日本って結構汁物が多いですよね。昔ながらの出前用スクーターには、ケースにバネやクッションなど揺れてもこぼれない工夫がされていますが、ウーバーも導入の際に日本の飲食事情に合わせた工夫を少しはしておくべきだったのではないかなぁ。
そもそも店員が運ぶ出前と違い、ウーバーイーツは、店とは関係なく、配達員に登録した一般の人が配達をする仕組み。今回話題になったように「中が無茶苦茶で受け取りを断ったら、外に捨てられていた」というような問題はこれから次々に起きると思います。封の仕方に始まり、悪質になれば「配達先が腹立つから」とツバ等を入れられても分からない。そういう不安を持ってしまいます。店員なら店の商品にプライドがあるから絶対にしないでしょうが、単なる配達だけの契約ならそれが気持ちとしてできてしまう。便利な半面、そういう怖さもまだまだあると思うのは私だけでしょうか。
店側の問題もこれから出て来ると思いますね。ウーバーの配達をバイトとしている、ある若手芸人は、商品を取りに行くとその飲食店が驚くほど汚い店で、エプロンも着けていない店主に商品を「ほい」と渡されたそう。でもサイトではすごく美味しい洋食の「専門店」。注文の際はまずメニューを選び、次に住所などの店舗情報を見ますが、ストリートビューで店舗の外観まで確認することはめったにないのでは。ウーバーでは衛生面での注意を呼び掛けているようですが、やはり定期的、もしくは抜き打ちでの衛生検査や管理も必要だと思います。
日本人は性善説で「悪いことはしないはず」と信じがちですが、それも悲しいかな、近年は崩れつつあります。商品やサイトの見た目がきれいで美味しそうなら、調理場が不潔でも分からない。配達員もそこまで責任は持たなくていい。ウーバー側も「これからのサービスなので」と認めていますが、SNSが発達していなければ今回の苦情も泣き寝入りになった事例です。
確かに便利で、働く方にも空き時間を活用できて働きやすい仕組みだと思いますし、新しい仕事は予期せぬ事態に対処しながら出来上がっていくものではあります。ですが、やはり直接口にするもの。料理を提供する側も、配達する側も、プライドを持って真摯(しんし)な態度で取り組むべきです。