着物がたった5分で?着やすいのに美しい!子育てママが縫う「三部式着物」がすご過ぎる!

広畑 千春 広畑 千春

 着付けが難しい根本的な理由は、全てが1枚につながっているから。それを3部式にすることで解消し、それでいて美しさを保てるよう、おはしょりや衣紋抜き、襟の合わせなどに細心の注意を払い、友人の京都造形芸術大の教授と4年がかりで型紙を完成させました。ところが、縫製の段階になって、昔ながらのお針子さんの高齢化と人材不足に直面。途方に暮れていたとき出会ったのが、ハンドメイド好きの主婦やママたちでした。

 4年前にNPO法人として店を構え、昨年3月には京都府主催の「カンキレきものコンテスト」で優勝。京都を代表する織物の関係者からも「みんな着物が売れないともがいてる。これは凄い。よう考えたな」と声を掛けられたそうです。同10月には娘の絵美さんが社長になり株式会社を起業。今年1月に新店舗をオープンさせるとテレビでも紹介され注文が殺到し、縫製の委託先や商品の幅を広げるとともに細かい部分の改良を重ね、来年4月からは要望の多かった既存の着物の仕立て直しにも乗り出す方針です。

 現在は、10人ほどの女性が、和洋裁と日本刺しゅうに詳しい先生役の主婦に習いながらフルスロットルで働いています。報告や相談はLINEで。通勤に2時間ほどかかるという木津川市の女性(43)は「仕事はしたかったけれど、3人の子どものために動ける時間を確保しておきたかった。通勤しなくても仕事ができるし、好きなことはやりがいが全然違う。何より、完成して着てもらえた時のうれしさは格別」と微笑みます。

 「育児が終わっても、次は介護…という人は今後もっと増えてくるはず。そんな女性が無理なく働けて、職人として確かな腕を付けられる。もっと楽しく美しく、気軽に着物が着られるようになる。着物という文化を、みんなで守り育てて行けたら」と岩崎さん。母娘の、そしてママたちの挑戦は、まだまだ続いています。

 カジュアルで洗えるポリエステル地の着物は目安4.5万円、正絹着物は8.5万円~(いずれも税別)。作り帯や重ね襟などの小物もあるので、お店に問い合わせを。ホームページはhttps://dricco-kimono.com/

 

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