京都市を舞台にしたアニメ映画「HELLO WORLD(ハロー ワールド)」が公開されている。主人公の1人、男子高校生の堅書直実[かたがきなおみ]の声を演じた俳優北村匠海さん(21)は「京都は温かい街。映像も温かい雰囲気を表現しており、SFラブストーリーに合っている」と述べ、京都や映画への思いを語った。
俳優として多くの映画に出演してきた北村さん。東京出身だが、撮影所のある京都市右京区太秦はよく訪れる地域の一つという。「太秦の街の空気が好き。思い出深いのは、中学生のころに行った東映太秦映画村のお化け屋敷。役者さんがお化けを演じているので本当に容赦なくて怖くて」
映画では、物語の重要な場面として伏見稲荷大社(伏見区)が描かれる。「伏見稲荷大社も訪れたことのある場所。近代的な街の中に木造建築があるのが、異世界に入るような感じがする。今回の映画はSFなので、世界観にマッチしていると思う」
伏見稲荷大社境内の千本鳥居をはじめ、京都駅(下京区)や京都タワー(同)など京都の名所や見どころが精緻(せいち)に表現されている。さらに、堅書直実が通う高校は、中京区堀川通錦小路付近にある「錦高校」という設定だ。
「モデルとなった高校(堀川高)にも、いつか行ってみたい。ただ直実の気持ちになってしまって、少し不安になるかもしれない」と笑う。
そのほかにも、宇治市内や鴨川などの風景が登場する。「京都の街の美しさもしっかり描かれている。京都に住んでいる人も、そうでない人も、京都を小旅行している気分になるのでは。映画の『聖地巡礼』はとても楽しいはず」
俳優としてだけでなく、4人組ロックバンド「DISH//(ディッシュ)」のメンバーとしても活動する北村さん。京都にはライブでも訪れたことがあるという。「京都の人は、街そのものやそこに息づく伝統を大切にしているのがよく分かる。映画の主人公のように、関西圏で生まれたかった。関西の言葉で生まれ育ったら性格も変わっていたのかな」
今秋以降も出演作品が立て続けに上映される予定で、忙しい日々が続く。「紅葉の時期にゆっくりと京都を楽しんでみたいです」
◇
「HELLO WORLD」はTOHOシネマズ二条やMOVIX京都、T・ジョイ京都などで上映している。