10月の消費税10%引き上げを前に、神戸新聞社(兵庫県神戸市)は無料通信アプリLINE(ライン)を使った双方向型報道「スクープラボ」で消費税に関するアンケートを実施した。増税に反対する意見がやや多かったが、賛成の人も8割以上が軽減税率やキャッシュレス・ポイント還元制度への不満を漏らすなど「消極的」な賛意だった。制度の複雑さに戸惑う姿が浮かび上がる。
アンケートは9月18~24日、LINEでつながっている約1800人を対象に実施し、368人から回答を得た。
消費税増税への考え(自由記述)を分析したところ、増税に賛意を示す人が83人。そのうち条件付きや消極的な賛成が70人を占めた。反対とやや反対は計95人で、賛成を上回った。
増税に明確に賛成する意見では、「子どもの教育や医療に使ってほしい」(尼崎市、30代女性)▽「子どもたちに国の借金を残したくない」(養父市、60代男性)など、次世代の負担軽減を望む声が目立った。
消極的な賛成意見の多くは、家計への影響を懸念する。加古川市の40代女性は「増税に反対ではないが、18歳までの子どもが4人おり生活が苦しい」。明石市の40代女性は「外食もお酒も控えて早く帰宅する。生活習慣を変えるタイミングにしたい」と前を向きつつ「今まで生きてきて消費減税ってないな…」と嘆き節も。神戸市垂水区の10代男性は「使い道をはっきりさせて、国民にしっかり伝えてほしい」と注文する。
反対とやや反対の人は、家計圧迫や庶民の負担増に憤る。
宝塚市の40代男性は「日用品の負担がつらい」とため息。子育てにかかる費用を心配し「2人目の計画をどうするか迷っている」とする。神戸市中央区の40代女性も「増税はやめてほしかった」。夫はアルバイトといい「毎月しんどい。議員の定数削減やボーナスの大幅カットを」と訴える。