鋭い目つきが気になる長毛の三毛猫、ガリガリに痩せていたが保護されて幸せに

渡辺 陽 渡辺 陽

鋭い目つきの長毛の三毛猫。なぜか人をひきつけるものを持っていた。とても用心深い猫だったが、キャットフードを使って餌付けして、なんとか保護することができた。

 

鋭い目つきが気になる猫

2011年10月下旬、宮崎県で美容室を営む重永さんは、長毛の三毛猫のうしろ姿を見た。「なんでこんな猫が外にいるのか」といぶかしく思ったが、それから何度か見かけるようになった。近くの中学校のごみ置き場をねぐらにしているようだった。目力が強く、すごく目つきの悪い猫だったが、なぜかひきつけられた。

 「なかなか人に近寄らない警戒心の強い猫で、保護しようと思って近づいても逃げられました。置きエサをして少しずつならしていったんです」

 三毛猫は、だんだんなれてきたのか、店のガラス扉の向こうに来て、「ごはんは?」と話しかけるように見つめるようになった。2012年1月中旬、キャットフードを使って玄関まで入らせ、扉を閉めて保護した。

 抱っこすると力が抜け、鳴きやんだ

保護した時、玄関に入ったのを確認して、ご主人が扉をそっと閉めると、ニャアニャア鳴き続けた。あまりにも鳴くので、重永さんが抱っこすると、すとんと腰が抜けたように力が抜け、鳴きやんだという。

 三毛猫は、ガリガリにやせていて、背中を触ると背骨がゴツゴツしているのが分かった。病院で検査をすると、カエルや蛇を食べた時に寄生する寄生虫がお腹にいたからだということが分かった。推定1歳。捨てられたのか、迷い猫なのか、生粋の野良猫ではないようだった。

 重永さんは、猫をビビちゃんと名付けた。ビビりのビビちゃんと、「美しい」の「美」を掛け合わせたそうだ。

 8年かけて人にもなれた

1~2カ月はずっと怯えていて、特に男性には緊張したので、ご主人になれるには時間がかかった。

 ただ、羽がついているタイプの猫じゃらしは、本能のなせるわざなのか大好きだった。本物の鳥と勘違いするのか、羽だけをきれいに食べてしまった。お腹がすいていたのか、キャットフードも袋を置いていると、袋を破って食べてしまったこともある。

 重永さん夫妻は、ビビちゃんを保護した後、猫と一緒に暮らすための店舗と住居が一体になった家を建てたのだが、その家に重永さんのご両親が遊びに来た時、ビビちゃんは隠れてしまった。しかし、時が経つにつれ少しずつなれてきて、お腹を見せてくれるようになった。8年が経ち、最近は人が来ても隠れず、姿を見せるようになった。穏やかでおおらか、どっしり構えている猫だという。

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