台風の日、大音量で鳴いていた子猫を偶然救出 懸命の看病で回復…名前は「ラッキー」に

渡辺 陽 渡辺 陽

ラッキーくんは、秋の台風が九州に上陸した日に保護された。保護主さんが、偶然外に出た時に子猫の声とは思えないほどの大音量で鳴き続けたため、発見、保護された。

台風の日に大音量で鳴いていた子猫

宮崎県に住む重永さんは、2匹の女の子の保護猫を飼っている。2017年10月、台風の日の夜7時くらい。たまたまご主人が外に出たら、子猫の大きな鳴き声が聞こえて、まるで車のアラーム音のような大音量だった。

最初は猫の声なのか何なのか分からなかったほどだった。家の前が小学校なのだが、その敷地内から声がする。懐中電灯で照らしながら探すと、いったん茂みの外に逃げ込んだが、子猫だったのですぐに捕まえられた。台風の雨で水浸しだったのに子猫は濡れておらず、親猫や他の兄弟は見当たらなかった。同じ頃、近隣で子猫が1匹だけ捨てられていたという話もあり、ラッキーくんも誰かに捨てられたのかもしれない。

運のいい男だからラッキーくん

ご主人は、新聞紙を敷いた段ボール箱に子猫を入れたが、新聞のコラムのタイトルが「運のいい男」だったので、子猫はラッキーくんと名付けられた。

ラッキーくんは、ノミだらけで猫風邪をひいていた。生後1カ月~2カ月くらい。歯がやっと生えてきたところだった。ポータブルケージに移して、のぞきこむと、シャーシャー言って威嚇した。翌日には、危害を加えられないと思ったのか、抱っこもさせてくれて、なでることもできた。

お腹の中にコクシジウムという寄生虫がいたので、先住猫と接触しないように隔離。重永さんがつきっきりで看病した。

トルネード式グルーミング

衰弱した子猫を育てるのは初めてだったので、重永さんは、知り合いの猫の保護活動をしている人にアドバイスしてもらった。寒い時期だったので、まだ体温調節ができない子猫のために、ペットボトルに40度くらいに温めたお湯を入れたものを靴下に詰めて湯たんぽにした。プレートの下にはカイロを入れて温めたという。

「食欲はすごくある子だったので、ウェットフードをしっかり食べて、どんどん回復していきました」

先住猫とは3週間後くらいから少しずつ対面した。一番年長のビビちゃんは平気だったが、まだ2歳と少しのニコちゃんは、ラッキーくんが近づくとフー!シャー!と威嚇した。はじめて迎える男の子の子猫。2匹の女の子とうまくいくか心配だったが、ラッキーくんは、ビビちゃんやニコちゃんにくっついて回った。

いまでは3匹仲良くなり、冬の間は寄り添って眠る。夏は、同じ部屋で、つかず離れずの距離で過ごすという。

「3匹が絡まって互いにグルーミングすることもあり、トルネ―ド式と呼んでいるんです」

朝、ビビちゃんが起きると、ニコちゃんとラッキーくんが近づいてグルーミングしてくれと催促するのが日常の風景になっている。

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