百貨店の中なのに…「コンビニ」「バーベキュー」「お茶屋バー」大丸心斎橋店が大変身

金馬 由佳 金馬 由佳

 約4年の建て替え工事期間を経て、9月20日にグランドオープンする「大丸心斎橋店」(大阪市中央区)。その内覧会が18日に行われ、新しい百貨店モデルを具現化したという本館の全フロアが公開された。

 まず目玉は、地下2階の「フードホール」。「五感が刺激されるライブキッチン」をテーマに、全13店舗、350席で店舗の垣根を越え、ドリンクやフードが自由に食べられる。関西初のトリュフ専門店やソムリエと利き酒師が常駐するバーカウンターなど、クオリティの高い店がそろい、百貨店の目利き力が発揮されている。大豆ミートや豆乳でヴィーガン料理を提供する「アップグレード」や、肉の専門店で購入した神戸牛や松阪牛を調理する「肉料理専門バル ヴォレー」など、外国人観光客の需要も見越した業態もそろえる。

 また、スマホを使ってメニューの閲覧、注文、決済ができるシステムを導入。着席後に注文確定ボタンを押すと、料理が出来上がったタイミングでスマホにプッシュ通知が届くという。

 建て替えにともない、新設された7階のテラスや屋上には緑化スペースを設置。御堂筋に面した開放的な空間でバーベキューが楽しめるのはレストラン&カフェ「トゥッフェ テラス イート」。心斎橋周辺では貴重な空間で、早くも週末は予約がつまっているという(バーベキュープランはひとり4500円)。

 また、9階にはコンビニのローソンが入店。なぜ百貨店に?という理由は、海外からの観光客に向けたサービスがこのフロアに充実しているため。「ポケモンセンターオーサカDX」や「ポケモンカフェ」、海洋堂のフィギュアを展示・販売するスペースを併設したタリーズコーヒーなどをそろえ、ここで休憩するお客に軽食やドリンクなどを提供するのが目的だ。日本で人気のキャラクター、くまモンなどのお土産品もちゃっかり置いている。

 京都・祇園のお茶屋バー「近江榮」は、10階のレストランフロアに大阪初出店。こちらのフロアは「日本の食文化を世界に向けて発信する」ことをテーマに店舗が集結。人気のうどん店や寿司、天ぷらなどがそろうが、なかでも同店は、はんなりモダンな和空間で、祇園辻利のグリーンティーなどのソフトドリンクや、ワイン、カクテルなどが京都らしいスタイルで提供され、大阪にはない雰囲気が味わえる。

 大丸は、1717年に京都・伏見で創業。心斎橋に呉服屋を開業したのが1726年。そこから約300年間、この地で営業を続けてきた。これからの300年をになう新しい百貨店のあり方を模索しながら、循環型社会に貢献し、さまざまな取り組みを進めていくという。「日本人としてのおもてなし、接客を通してお客さまには楽しい体験をして欲しい」と店長の西阪義晴さんは話す。大丸心斎橋店の開店は、9月20日の13時。

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