お笑い怪獣さんまが「俺と同じ病気」と認定 喋りが止まらないバー店長に会いに行く

黒川 裕生 黒川 裕生

神戸・新開地の某所にあるライブバーに、かつて現役の高校生漫才コンビとして全国区のテレビ番組などで活躍し、西川きよしや島田紳助ら大物芸人にも一目置かれたというすごい男がいる。耕笑園(こうしょうえん)てつや、56歳。通称てっちゃん。明石家さんまには「君、ずっと喋っとるなあ。俺と一緒や。病気や」と認定されたほど、とにかく恐ろしいほどよく喋るのだ。事務所には所属せず、地元神戸のサンテレビやラジオ関西で、長年フリーのリポーターなどを務めてきた。4年前からは、人に頼まれて商業ビル「ミナエンタウン」の地下にあるライブバー「KEY WEST」のマスターに就任。今はミナエンタウンを拠点にしたまちづくりに力を注いでいるというてっちゃんを訪ねた。

「僕ね、芸人とかタレントって言われるんいややねん。ほな、お前なんやねん言われたら困るんやけど。『耕笑園てつや』って名前も、当時は越前屋俵太や槍魔栗三助(生瀬勝久の旧芸名)みたいな、そんな漢字の名前つけるん流行っとったんや。そのときは良かってんけど、どんどんどんどんダサなってきてな」

「僕のWikipediaも誰かが作ってくれてんねんけど、編集できる人に『耕笑園やめて、てつやにしといてくれや』って頼んで、名前『てつや』になっとるわ。でも、てつやはあかん。ひらがなで、てつや。あかんあかん。で、直そうと思ったら今度は編集の権限がないとかで直せへんようになっとんねん」

出会って5秒でマシンガン。

てっちゃんは開店準備をしながら、こちらの名前もろくに確認せず、いきなりフルスロットルで喋り始めた。結論から言うと、私が店を辞するまでの3時間余り、高校時代にテレビ出演した思い出や神戸での芸能活動、店の話などをすさまじい勢いで(ほぼ一方的に)喋り続けたのである。これほどのべつまくなしに喋る人に、私は会ったことがない。

そんなてっちゃんの“鉄板”ネタは、なんと言っても兵庫県立鈴蘭台高校(現・神戸鈴蘭台高校)時代に、往年の人気番組「TVジョッキー」に出演したエピソードだ。それに先立ち、てっちゃんは同級生と組んだ漫才コンビで、毎日放送の「素人名人会」に出場して名人賞を獲得。司会の西川きよしに「君らおもろいなあ」「吉本入るんか」などと絶賛され、そのセンスを見込んだ関係者からTVジョッキーに呼ばれたという。

時代はまさに、空前の漫才ブームを迎えようとしていた。「ザ・チャレンジ」という素人演芸対決コーナーで対戦したのは、プロになる前のとんねるずだったという。てっちゃんのコンビは「噛ませ犬」だったそうだが、審査員の松田聖子だけは挑戦者のてっちゃんたちに点を入れてくれた。「大阪に来たときに、テレビで俺らのこと見て知ってくれとったらしいわ」

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