江ノ電の踏切がスラムダンクファンの聖地化…アジア圏から殺到、オーバーツーリズムの問題も

北村 泰介 北村 泰介

 踏切のそばには、江ノ島電鉄株式会社(江ノ電) 、鎌倉市、鎌倉警察署によって「線路上の歩行や踏切内で立ち止まることの禁止」などを英語、中国語、韓国語で訴えた看板が掲示されていた。

 江ノ電の鉄道部旅客課では、同駅に海外からの観光客が詰めかけるようになった時期について「弊社として実感するようになったのはおおよそ3年ほど前からかと思います」と明かす。観光客のマナーについては「藤沢駅・鎌倉駅において、北京語の自動放送での案内と注意喚起を行っています。 また、全駅に設置してある列車時刻を表示するモニターでは中国語も併せて表示しています。 鎌倉駅・長谷駅においては、中国人スタッフを配置し、ご案内に努めています」と説明した。

 だが、現場を見る限り、一朝一夕での解決は難しいと感じた。同社の担当者は「多くのお客様にお越しいただいていることは大変うれしく思っています。一方で乗車マナー等について、文化の違い等もあり臨機な対応が求められているところでありますが、お客様のご協力もいただきつつ善処して参ります」と地道な努力を続けていく。

 踏切から道を一つ隔てて広がる湘南の海ではサーファーたちが躍動し、右手には江の島が見える。最高の景観にある踏切と「スラダンファン」。問題なく共存できる日まで、今は、その過程にあるようだ。

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