インク沼に沈む人びと…魅惑の万年筆カラーインクの世界 火付け役は神戸の色彩を映したインク

山本 明 山本 明

 ―インク沼にハマる人は比較的若い人が多く、女性が90%以上を占めると聞きました。彼女たちはカラーインクに何を求めているのでしょうか

 竹内さん「自分らしさ、だと思います。デジタルで文字を打つと基本的に黒一色で統一されてしまいますよね。だから自分自身の本当の思いは自分の好む、自分らしい色で、気に入った手帳にそっと記したい…そういう人がインク沼に惹かれる気がします」

 ―洋画を観ていると「find your own voice」という言葉を聞くことがあります。「自分自身の内なる声に耳を傾けよう、自分らしさを見つけよう」くらいの意味でしょうか。これがインク沼にハマる人にはとってはさしずめ「find your own color」ともいうべき思いが、原動力なっているということですね。

 竹内さん「最近は数色のインクをブレンドして、全くのオリジナルインクを上手に作り出す人もいます。どれだけデジタル化が進んでも手書きの世界は残ると思いますし、そこで自分の手とペンとインクがあれば自分だけの世界を表現できる。若い人には特に、その感性の広がりを大切にしてもらいたいですね」

◆ナガサワ文具センター「室長!竹内直行ブログ」https://kobe-nagasawa.co.jp/category/blog-takeuchi/

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