―若い人への訴求力も高そうなパッケージですね
田中さん「デザイナーは高校時代の同級生。長年デザインの力で店を引っ張ってきてくれました。玉穂堂シリーズの袋デザインは、明治から昭和中期まで使用していた昔のラベルの図案の一部を拝借し、リデザインしたもの。いたずらに流行を追うのではなく、長く使える息の長いデザインにしようと。基本的に今まで田中屋にあったデザインや図案を再利用しています」
六代目店主として店の業務をこなす傍ら、老舗の銘菓店の30~40代の若旦那たちの会として、「本和菓衆」(ほんわかしゅう)を立ち上げ、『せんべい王子』として業界をリードする田中さん。ものづくりにかける情熱と人の縁を大事にする姿勢が言葉の端々から伝わってきます。
また田中さんは商品開発のために、日々、良質のインプットを心掛けているといいます。読書好きで現代の良書から古典作品にまで目を通し制作のインスピレーションを得ることも。地元への愛も強く、原材料はなるべく岐阜産の上質のものを厳選して使っているのだそう。
「コスト削減についてはあんまり考えないようにしています。いいものを作るのが優先。そもそもお菓子は無駄なものですから、無駄を大事にしていかんとね。それに、生まれ育った岐阜は大好きな場所。最終的には田中屋のせんべいを食べに、わざわざ岐阜まで来てくれるようなお店にしたいと思っています」
◆「ミントとカカオのお煎餅」540円(税込み)
◆「田中屋せんべい総本家」店舗詳細はこちら/http://tanakaya-senbei.jp/
◆ 9/4(水)~10(火)なんば高島屋地下和菓子売場にて、実演販売を行う。自家製の糀甘酒、白玉粉、小麦粉、卵、小豆だけで作った「せんべい屋の甘酒カヌレ」や、人気定番商品の「キャラメル煎餅まつほ」などを六代目本人が焼く予定。