映画愛あふれすぎるオールナイト、見学できる映写室…こんな時代に快進撃 神戸の名画座「パルシネマ」

黒川 裕生 黒川 裕生

そして最近のパルシネマ活況イメージを決定づけているのが、なんといってもオールナイト上映だ。第1回の2015年7月は、近隣のシネマ神戸、神戸アートビレッジセンターと合同で実施した「シネマストリートフェス2015」の前夜祭として、「天然コケッコー」「ウォーターボーイズ」「モテキ」の3本を上映した。あいにく台風とぶつかったため来場者は25人ほどと振るわなかったが、客席の熱気に手応えを感じた岳志さんは、翌16年も同フェスの一環として再挑戦。「俺物語!!」「あの頃、君を追いかけた」「バクマン。」を今度は2夜連続で上映し、計90人ほどが楽しんだという。

その後は地元の映画好きの学生らでつくるグループ「映画チア部」と協力して数カ月に1回のペースで継続中。2017年8月の「チェイサー」「ナイトクローラー」「キングスマン」の3本立ては、来場者が過去最高の90人超を記録したという。

「ただ、これまで何回かやって、オールナイトで利益を得るのは正直難しいと感じています。それでも、パルシネマの存在を知ってもらうことで、新規ファンの開拓につながればと期待しています」(岳志さん)

毎回、場内の飾りつけや休憩中に流す映像などにも趣向を凝らしており、その熱い映画愛で注目度も上昇中。勢いは止まらず、2019年はすでに1、3、6、8月に実施したのに、次は早くも9月22日にまたまたやってしまうことが決まっている。「今宵はゾンビとランデブー」と題し、「ウォーム・ボディーズ」「高慢と偏見とゾンビ」「新感染 ファイナル・エクスプレス」の3本を上映する。岳志さんは「まさかの感動作からただひたすらに面白いアクションまで、一口にゾンビと言っても全く毛色の違う作品を揃えた。ぜひスクリーンで楽しんでほしい」と呼び掛ける。

「うちはそもそも存在を知られていないので、考えようによっては“伸びしろ”しかない映画館。1回でも足を運んでもらえれば、リピーターになっていただける自信もちょっとはあるつもりです。まずは存在を知ってもらうために、できることはなんでもしていきたいですね」

そんな岳志さんら神戸のミニシアター4館の支配人が、映画館運営にまつわる裏話などを披露するトークショー「ミニシアターコソコソ内緒話~聞いてみたかったアレコレお答えします!~」が9月1日午前11時から、元町映画館2階イベントルームで開催されます。無料で定員30人。

ちなみにこれは、同日スタートするイベント「KOBE CINEMA PORT フェス」の一環です。問い合わせは、神戸アートビレッジセンター内の事務局(tel:078-512-5500)まで。

■パルシネマしんこうえん 神戸市兵庫区新開地1-4-3 tel:078-575-7879

 公式サイト http://www.palcinema.net/ 

 Twitter https://twitter.com/palcinema

■KOBE CINEMA PORT フェス https://twitter.com/kobe_cinemaport

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