その岩崎さんと本下さんが、関西の女性起業家を応援するプロジェクトで出会い「日本独自の『縦書き文化』を代表する原稿用紙を着物にしたら、面白い!」と意気投合したそうです。
と言ってはみたものの、実は原稿用紙は「かなり難しい図案だった」(岩崎さん)とか。通常の着物の柄であれば、縫い目さえ合えば多少の柄のズレは許容されますが、原稿用紙はまっすぐ揃った罫線が命です。そもそも、柄自体が今までないので、襟の幅にちょうど1行分が収まるよう罫線の太さや行の幅を何度も試し、一からデザイン。縫製にも「通常の3倍かかった」(同)そうです。
そして迎えた夏休み。本下さんは原稿用紙着物で、地元・宝塚市を始め、各地の講座を飛び回っています。元々着物好きだったそうですが、子どもが生まれてからは実家のタンスの肥やしに。でも、講座で座ったり立ったり、重い荷物を運んでも「全然崩れないし、締め付けていないから全然ラクなんです」と話し、「この着物を着て、子どもたちに楽しく読書感想文に取り組んでもらえるよう頑張ります!」と力を込めます。
本当に、見れば見るほど、見事。しかも、古典柄のようでいて、斬新でかわいい。思わず、この「原稿用紙」にサラサラと作文を書いてしまいたくなりそうな…。あ、それって日本昔ばなしの「耳なし芳一」みたい?! なんて想像もふくらみます。もう長いこと、原稿用紙なんて使ってないけど、ちょっと書いてみたいかも。それに、なんかいい文章も生まれそうな気がして…きませんか?
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