愛媛の女子大生誤認逮捕に「昭和の古い捜査手法」 3点の捜査ミスとは

小川 泰平 小川 泰平
「昭和の古い捜査手法」が誤認逮捕につながってしまった=bogdanvija/stock.adobe.com(写真はイメージです)
「昭和の古い捜査手法」が誤認逮捕につながってしまった=bogdanvija/stock.adobe.com(写真はイメージです)

 「愛媛県出身者として気になっていた」という小川氏。「ずさんな捜査、思い込み捜査、中途半端な捜査」という3点を指摘し、「落とし方が昭和の時代の古い捜査手法」と批判した。同氏は「今は窃盗事件といえども綿密な詰めの捜査を全部行い、犯人を特定し、逮捕状の発付を受けて逮捕するのが基本」とし、それをしなかった「ずさんさ」を挙げた。

 小川氏は「タクシー内のドライブレコーダーに映っていた女性と酷似していたのは分かるが、他の乗客などの詰めの捜査をしていれば、誤認逮捕された20代女性がタクシーに乗っていなかったことは明らかである。それをしなかった点が中途半端」とした。

 さらに、同氏は「容疑者として浮上しても、実際にタクシーに乗っていたかどうかを周りから固めていくことが本来の捜査。容疑者がタクシーから降りたアパート前で、酷似している女子大生を発見し、決めつけたと思われる。アパートの他の住人をすべて調べていれば、真犯人が分かったはず。女子大生を任意に引っ張って来て、『叩けば落ちる』『初犯の窃盗だから簡単に落ちるだろう』という思い込みがあったはずである。ところが、落ちないものだから『就職が決まっているなら…』などと無理な取り調べに至ったのだろう。言っていいことと悪いことがある」と苦言を呈した。

 小川氏は「今回、弁護士が会見したのは、別の新しい犯人が捕まったから」と、別の犯人が特定されていなければ〝うやむや〟になっていた可能性も示唆。「勾留請求が却下されたのは捜査がずさんだったことの裏付け。最初からちゃんと捜査していれば、こんなことにはならなかった。私は捜査3課というところにいて、窃盗常習者とも接してきたが、令和の時代になって、窃盗犯と決めつける昭和の捜査手法」と、警察ОBとして今回の問題点に警鐘を鳴らした。

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