「もう着ないでしょ」「いや嫁や孫も着られる」“終活めぐり”親子げんかに どうしたらいい?

広畑 千春 広畑 千春

 自分の「亡き後」や、病気になるなどして身の回りのことが出来なくなる前に、家の片付けや相続、葬送の方法を決めておくなどの終活に注目が集まっています。一方で、必要だとは分かっていても、まだまだ元気なのに「死」に向けた準備なんて…と踏ん切りのつかない人も多いのではないでしょうか。

 「実際に生前整理をしようとすると、必ずと言っていいほど、家族で揉めます」と話すのは終活セミナーや遺品整理を手掛ける「Dear Family」の金城富仁さん。うまく進めるコツは、不思議と感じるかもしれませんが「もう一度、『家族』になること」と指摘します。

 ある80代の女性は、夫や子どもたちに言われ、家の中を片付けることになりました。たくさんの食器に写真、それに服。「もう着ないでしょ」と言われましたが、頑として首を縦に振らない服がありました。

 それは、60年ほど前のコート。上質な素材で当時の値段で数万円したといい「嫁や孫も着られると思うの」と訴えたといいます。でもデザインは古く、お嫁さんや孫娘も体型が違うので、とても着られません。困り果てた家族が、金城さんに相談に来たのです。

 金城さんは女性の家を訪れ「素敵ですね。いつ買われたんですか?」と尋ねました。すると女性は待っていたかのように、思い出を語り始めました。

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