1862年にフランスのパリで創業したパティスリー「ラデュレ」が7月15日、京都に初出店。看板メニュー・マカロンなどの京都限定商品が展開される。
フランス流の優雅な生活を象徴し、今や世界的にも有名となったスイーツ・マカロンを生み出した同ブランド。エレガントさとかわいさを併せ持つパッケージデザインは日本人女性からも人気が高く、その世界観を反映したコスメティックブランド「レ・メルヴェイユーズ ラデュレ」が誕生するほどだ。
このたび、四条通沿いにオープンした「ラデュレ 京都四条店」(京都市下京区)も、その魅力を最大限に活かした店舗デザインに。イメージカラー・ライトブルーとアーモンドグリーンを基調にしつつ、壁は竹、シャンデリアは桜の花、天井には唐紙からインスパイアされたデザインが施され、ラデュレが思い描く京都をさりげなく取り入れた空間となっている。
本国のレシピを忠実に再現するため、フランス人シェフが中心となり、店内でスイーツを手がけるのも特徴。注目は、京都の老舗とコラボした「ヤツハシ」と「マッチャ・キョウト」(各303円)のマカロン、ケーキ「サントノレ・マッチャ・キョウト」(パイ生地、小さなシューと、クリームを組み合わせた伝統菓子・907円)の限定商品だ。
また、サロン・ド・テ(2・3階、8月1日よりスタート)では、人気メニューをアレンジした、京都産の卵を使った「エッグベネディクト・キョウト」(2160円)や、黒蜜と抹茶を組み合わせたブリオッシュ生地の「フレンチトースト マッチャ」(2052円)などを提供予定。「京都は日本だけでなく、世界から観光客が訪れる場所。ここならではの楽しみを目当てに来店してほしい」と担当者は話す。
このように、世界から観光客が訪れることを魅力に感じているブランドは多く、フランス発祥の美食ブランド「フォション」のホテルも、2020年夏、京都にオープンする。
同ブランドの日本初上陸は1972年。紅茶やジャムといったギフトで人気を得、世界中でカフェや食品のセレクトショップを展開するなか、2018年にはホテル部門を設立。1号店のパリでは、フォションのお菓子がシャンパンとともにいただけるルームサービス「グルメバー」など、美食ブランドならではのホスピタリティで観光客をもてなしてきた。
その世界で2つ目となるホテルが、京都中心部に登場する。客室はスイートを合わせて70室を擁し、1階に「フォションベーカリー」を併設、眺望のいい最上階にはレストラン「グランド・カフェ・フォション」とレセプションを配置。祇園や四条河原町から徒歩10分の立地だ。
百貨店「ジェイアール京都伊勢丹」の食品フロアにも、フランスの人気店が集結する。焼菓子を扱う「ラ・サブレジエンヌ」は、フランスでは6店舗を構える。海外初出店に際し、代表取締役のアメリ・ロレさんは、「サブレの歴史と京都の歴史が融合するような特別な思いを持っています。京都の地で私たちの歴史あるサブレを伝えたい」と、やはり京都への思いはほかとは違うようだ。
それ以外にも、フランスのチョコレートの大御所「ジャン=ポール・エヴァン」や「ピエール・エルメ・パリ」、パティスリー「ラ・メゾン・ジュヴォー」と名だたるブランドは、いずれも京都で2店舗目(大阪には現時点でどれもない)を同百貨店に出店。また、キャラメルで有名な「アンリ・ルルー」、さらに、クロワッサンとバゲットが人気の「メゾンカイザー」もカフェをオープンするなど、もはや、リトル・フランス状態だ。
フロア担当者に話を聞いたところ、「イベント出店時などの反応から、京都のお客さまはフランスの文化に高い関心を持っていると感じ、現在のラインアップに。京都だからこそ実現できたというのはあるかと」と説明。また、今年祇園にお店をオープンした「ラ・メゾン・ジュヴォー」など、「お店では、お茶を飲みながらゆっくりと空間や周辺の環境を楽しんでいただき、百貨店では短時間でお土産を選ぶなどと使い分けていただければ」と差別化も意識しているとのこと。
京都店のオープンをきっかけに、フランスのシェフらが来日する機会も増加する。抹茶や柚子など日本の食材を活かしたメニューが多くなってきたことを考えると、今後も京都とフランスを結ぶ、どんな新作が出てくるのか楽しみにしたい。そして、まだ見ぬフランスの人気店が新登場するのか、そこにも期待がふくらむ。