フランス発の総合スポーツメーカー「DECATHLON(デカトロン)」が、3月29日に日本1号店を、商業施設「阪急西宮ガーデンズ」(兵庫県西宮市)にオープンした。
デカトロンは、ランニングやテニス、ハイキングやウォーキングなど、80種以上のスポーツに関わるアイテムを、自社で企画、デザイン、開発をおこない、世界51カ国の1500を超える直営店舗で販売する。グローバル規模の大量生産、商品流通までを自社で一括管理することで、驚異的にリーズナブルな価格で機能的な製品を提供できるのがウリだ。
日本での展開に同社は、足かけ25年を費やした。1993年に大阪市北区にオフィスを開設し、2011年に提携企業との自社製品販売、2015年にオンラインサイトを立ち上げ、2017年に新店舗を視野に入れたショールーム「デカトロンラボ」を大阪市西区に開設。同施設への出店理由について「関西で最も成功を収めている商業施設で、顧客が当社製品を選び、スポーツに取り組む可能性がある」と代表取締役社長のギナール・エリックは話した。
西宮店は1800平米と、世界的にも規模は小さい方だが、キャンプやハイキングのほか、ランニング、サイクリングなど30種以上のジャンルのオリジナルブランド製品を展開する。価格が安くても扱う商品の機能性が高い理由は、開発拠点にあると広報担当者は説明。「デカトロンでは、実際にそのスポーツの利用者が集まるエリアに拠点を置き、デザインと開発をおこないます。たとえば、マウンテンスポーツのブランド『ケシュア』は、ヨーロッパ・アルプス最高峰モンブラン山麓のサランシュに研究開発センターを置き、経験を積んだキャンパーやハイカーが商品作りに取り組んでいます」と話す。また、低価格の理由について「初心者向けの商品は、作りを特にシンプルにし、過剰な機能はつけていないこと」だとも言う。
確かに、テニスラケットやランニングシューズなど、オリジナルのアイテムは、初心者向けのものがほとんど。これから、そのスポーツを始めようという人が気軽に手に入れられる価格帯で、子ども用のアイテムも充実している。ただ、ヨーロッパでメジャーではないためか、野球のアイテムはなかった。オリジナル商品の中には、週末に家族で楽しめるようなバドミントンやアーチェリーのセット、ビーチで使えるシュノーケリングのセットなど、遊びの要素の強いものも多い。
実際「買い」のアイテムは、家族でおでかけに使えたり、公園などで遊べるようなものだろう。テント(11900円~)などのキャンプ用品や、浮き輪やシュノーケリングなどのビーチアイテム、さまざまなサイズを展開するバックパック(390円~)、自転車(16900円ほか)、豊富にそろうキッズウエアといったところだ。営業は10時~21時。