かけがえのない思い出を救え! 西日本豪雨で泥水に浸かった写真を洗浄するボランティアが大阪で活動中

平藤 清刀 平藤 清刀

 果して写真の総数は何枚あって、どれくらいのペースで進んでいるのか、田中さんにお話を伺った。

 筆者「どれくらいの写真を預かっているのですか」

 田中「6月30日の時点で、2214枚です」

 筆者「写真をどうやって大阪までもってくるのですか」

 田中「宅配便で送ってもらうのと、私や大阪で一緒に活動を立ち上げた人が真備町へ行ったときにお預かりしてもって帰ってきたり、真備町から大阪へ来る人にもってきてもらったりします」

 筆者「1枚洗うのに、どれくらいの時間がかかりますか」

 田中「洗い自体は数十秒ですが、そのあと乾燥と仕上げの作業があります」

 筆者「これまでの進捗はどうですか」

 田中「先週までの3回で165枚の洗浄が終わりました」

   ◇   ◇

 1枚を数十秒で洗えても、乾燥に時間がかかるせいか、意外に進んでいない印象を受けた。そのことを正直に告げると、田中さんが初めに想定していた進捗状況より早いのだという。いま作業している家族の分は、年末までに洗浄して返却する予定だったそうだが、このままの速度で進めば秋には返せる目途が立つらしい。

 さて、乾燥させた写真は「仕上げ班」が、ウェットティッシュを使ってさらに汚れを拭き取り、再び元の束ごとにまとめる。

 仕上げ作業を体験させてもらったが、意外に厄介だと思ったのが、貼り付け式のアルバムから剥がした糊が、写真の裏に付着している。ウェットティッシュで根気よく擦れば除去できるが、中にはカチカチに固まっている糊もある。そんなときに活躍する便利な道具がある。なんとペットボトルのフタ。これで擦るのである。そうすると固まった糊が、面白いようにボロボロ落ちる。田中さん曰く、試行錯誤の末にたどりついた方法だとか。

 作業を体験してみて感じたのは、写真の1枚1枚に家族の歴史が刻まれているということ。1枚たりとも疎かにできない、かけがえのない思い出の塊なのだ。

 「真備町写真洗浄@あらいぐま大阪」の活動は毎週日曜日。活動趣旨や活動日の案内などはFacebookで見ることができる。

https://www.facebook.com/osakasenjo/

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