学食で朝ごはんを食べれば無料。しかも100円分の食券が返ってくる―。そんな「食べなければ損」な朝食を、花園大の学食が毎週月曜、同大学の学生限定で提供している。休み明けは起きるのがつらいものだが、「元気」を充てんしてもらい、授業の出席率向上だけでなく、生活習慣を整えてもらいたいという。
学生の生活改善の一助にしようと近年、大学の学食では朝食を無料や100円で提供する取り組みが増えている。花園大でも2012年度から100円で食べられる朝食を始めたが、月曜1限に行われる必修授業に出席しない学生が一部でいた。学生にしっかり学んでもらうため、「一歩踏み込んだ」(同大学)試みを考えたという。
午前8時半から20分間限定で、ご飯ものとみそ汁のほか総菜約15品の中から2品を選んでもらい、無料で提供する。さらに、昼食や夕食もしっかり食べてもらおうと当日のみ利用できる100円分食券を配っている。学生の保護者らでつくる後援会が費用面を支援し、6月から始めた。
三重県出身の文学部1年松宮光明さん(19)は「1人暮らしを始め朝食といえば食パンのみだったので、栄養を考えてもらった食事はうれしい。月曜1限の授業は正直なところ『しんどい』と思いながら行っていたが、ごはんがあると気持ちが全然違う」と話す。
丹治光浩学長は「週初めから規則的な生活を送ることで、月曜1限だけでなく他の授業や学生生活を充実させてほしい」と語る。
月曜朝食は夏季休暇後の後期も提供し、出席率が向上するか年間を通して効果を検証するという。