「二度はなし 串かつソースと あのデータ」…実験用語で笑わせる「研究者川柳」が話題

川上 隆宏 川上 隆宏

 「今年の句ですと『CBB』『エピジェネティクス』などですかね。以前の年ですと「7エタ」とか… 『PPAR』というペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体というタンパク質の略語を、ピコ太郎さんが歌う『PPAP』にかけた句もありましたね」

 -ちょっと分からなくなってきたので、お聞きした用語の意味は図表にまとめてご紹介しますね…。

 「いざ説明しようと思うと一言ではなかなか説明できないもので…」

 -でも、研究者のみなさんというと、象牙の塔の中の存在のような印象があって、俗世から抜け出した人たちが、もっとドライに働いているのかとも思っていました。日常の愚痴みたいな句も多くて、意外に身近な存在に感じられてきたりします。

 「日常をユーモラスにつづっていただくことで、研究者のお互いの思いや苦労を共有する場にしてほしいと、コンテストを実施しています。手間がかかる実験や、ボスからのプレッシャーを、川柳にして笑い飛ばしてもらい、ポジティブに研究に励んでいただきたいと思っています。また「研究者あるある」が詰まった作品をご覧いただくことで、研究者間の見えない絆を感じたり、明日の研究へのエールとして受け止めていただきたいですね」

 -そういえば最近、科学技術研究をとりまく環境って厳しくなっていると聞きます。そういうのは川柳のトレンドにあらわれていたりもしますか?

 「やはり常に研究者特有の問題、例えば『若手研究者の有期雇用問題』『研究費獲得のむずかしさ』『徹夜実験(ハードワーク)』は鉄板ネタとして盛り込まれていますね。もちろん世間一般のブームも敏感に盛り込まれていて、予備校教師・林先生の決め台詞「今でしょ」やAKBなどもよまれてきました」

 -折しも、今年のコンテストの作品を募集中ですね。

 「研究者のみなさんには、研究室で過ごしている中での濃密なできごとを17文字の川柳に込めてお送りいただきたいです。あと、この記事を最後まで読まれた一般の方々にメッセージがあるのですけど…」

 -ええっ、はい、どうぞ!

 「細胞や動物に合わせるため、時間的拘束が多い実験に明け暮れる研究者ですが、生物とは何かという好奇心、病気の人を救いたいという純粋な目標を持って日々研究に取り組んでいます。そんな理系人間を『変人』のように感じられることなく、川柳を通して温かく応援していただけるとと嬉しいです!」

  ◇  ◇

「川柳 in the ラボ 2019」申し込みは下記ページから。応募期間は6月30日まで。

https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/products-and-services/promotions/2019/senryu-in-the-lab-2019.html

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