「公益社団法人 全国有料老人ホーム協会」(理事長:中澤俊勝、所在地:東京都中央区)は5日、毎年「敬老の日」に向け公募している「シルバー川柳」の入選作品を決定し、発表した。
19回目を迎えた「シルバー川柳」に8,793句が寄せられた。公募期間は3月1日~6月9日で、応募者の平均年齢は67.7歳。最年長は男女ともに97歳、最年少は女児で4歳だった。以前からの「シルバー世代あるある」ネタのほか、今回は時事ネタをキーワードを入れた作品が多く寄せられたことが特徴だ。
新元号に沸き、川柳も応募増加
今年は新元号に沸いたが、改元にまつわる川柳が多く寄せらた。特に、元号発表後からは「令和」を用いた川柳の応募が急増した。また昨年に引き続き「生前退位」をコミカルに詠んだ句も多く寄せらた。全国有料老人ホーム協会の職員によると「公募中に平成から令和に代わったので、多かったと思います」と話した。
(改元ネタ)四元号生き抜き迎える白寿かな
若作りしても話題はみな昭和
女房から生前退位せまられる
流行り・時事ワードに敏感
デジタル、AI(人工知能)にまつわる用語に加え、NHKの人気テレビ番組(「チコちゃんに叱られる」「みんなで筋肉体操」など)の決め台詞や、最近話題のキーワードを読み込んだ作品が多く寄せられた。「セルフレジ」「キャッシュレス」「グレーヘア」など、日常生活に登場した新しいサービスや流行りものに対応できないシニア世代の様子がユーモアたっぷりに描かれている。「昔から流行りや時事ものはあったのですが、最近は選ばれる作品が多くなりましたね」(同職員)
(流行ネタ)グレーヘアしたいがすでにハゲ頭
メルカリで誰も買わないワシの服
ボーっとしてテレビの中から叱られる
挑んでも店員を呼ぶセルフレジ
筋肉は裏切らないと老いて知る
定番の題材はやはり「夫婦」「身内」
題材ランキングの1位は、家族・身内ネタ。特に男性からの応募では「夫婦」がダントツで、定年後の微妙な上下(?)関係や、老後の楽しみ方の上手な妻との対比など、自虐的に描いた作品が目立った。子や孫から叱咤激励される様子、ペットのほうが優遇されている現実など、川柳から多くの日常が浮かんでくる。
(鉄板ネタ)みずあそびじじとおそろい手しわしわ
居ないとき妻の枕を尻に敷く
失言は家庭内でも命取り
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