研究者の日常あるあるを描いた「研究者川柳」。2019年コンテストの人気作品がこのほど発表されました。専門用語を交えながら読まれているのは、悩み苦しみながら実験に取り組んでいる等身大な研究者たちの日常。意外にも愚痴みたいな句も多くて…「触れちゃダメ エチブロ、アザイド ボスのミス」とかね。うふふ。えっ、意味がよく分からないですって?
科学機器・研究用試薬などを販売している「サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ」が主催している川柳コンテスト「川柳 in the ラボ」。2013年から毎年、ライフサイエンス関係の研究者を対象に募集しており、2019年で7回目といいます。今回は5、6月にかけて募集し、全国から1093句が寄せられたそう。応募作の中から候補作品15句を選定し、ウェブで人気投票を行って優秀作を決めたといます。
どのような作品が人気を集めたかというと…(カッコ内は雅号/ニックネーム)
最優秀人気作品
▼「Alexa」と 声をかけたが 光らない(さばおり卒業)
…AIの手も借りたくなっちゃう!細胞染色の結果に一喜一憂する研究者の心の叫びが伝わってきます…。
優秀人気作品賞
▼ボスの「あれ」 通じた私は 一人前(ほっくん)
…上司の一挙手一投足に気を配ってからきたからこその到達点。でも、なんかいびつな感じもしますが…。
▼研究費 削りに削られ 大吟醸(細胞飼い)
…削りに削って磨かれておいしくなるのは日本酒だけにしてほしいですね…。
優秀賞(一部)
▼いつもいる そういうきみも いつもいる(ニワトリ胚)
…こういう仲間意識って、貴重ですよね。でも、ぜんぜんうれしくないかも…。
▼合コンで 特技を聞かれ 免沈と(ぬこ)
…免沈とは溶液中から抗原を特異的に分離させる実験手法。えっ、だから何?もしかしてなにか深読みしたほうがいいの?…。
▼細胞と 話し始める 深夜帯(ヒストンタイラント)
…普通の働き方改革ではたどりつけない、心穏やかで突き抜けた境地があるのかも…。
▼良い結果 出たのに無人の 研究室(うしがらみ)
…喜びを分かち合いたいのに、こんな時間までいるのは自分だけだなんて…。
▼触れちゃダメ エチブロ、アザイド ボスのミス(しーさん)
…エチブロ、アザイドは実験に使う危険な物質の略称のようです。触ったりしないように取り扱いに注意が必要ですが、もっと危険なこともありますよね…。