2017年に誕生し、外国人観光客が多く訪れている「大阪城公園」内の複合施設「ジョー・テラス・オオサカ」(大阪市中央区)。その2階に、約270坪の敷地を利用した新たなスペース「大阪城下町」が5月30日にオープンした。
2018年の大阪への外国人訪問者数は1141万人で、今年は6月のG20を皮切りに、ラグビーのワールドカップやワールドマスターズゲームズを控え、年々増加傾向に。さらに2025年には万博が開催され、大阪ではますますインバウンド需要が高まる。そんななか、観光地で2番目に人気だという「大阪城」(1位は道頓堀、3位はユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の、新たな施設だ。
「海外からの観光客のみなさんが大阪に来て食べたものは何かというと、4人中3人がラーメン。そして人気急上昇中なのが、和牛、お酒なんです」(大阪観光局の溝畑宏理事長)と、ターゲットをインバウンドとした同施設。全国各地の人気店を集めた「ラーメン小路」(現在5店舗、6月末に2店オープン)をはじめ、和牛ステーキや近畿2府4県に三重県を加えた酒蔵の日本酒の飲み比べが楽しめる「和珀 WAHAKU」など、世界的に人気のある日本のグルメが集結している。
「ラーメン小路」には7店が集まる。東京・新宿に本店をおく「焼きあご塩らー麺 たかはし」の代表取締役・高橋夕佳さんは「日本の飲食店はレベルが高い。ラーメンは大衆食ですが1杯に誠心誠意を込めて作っています。でないと生き残っていけないのです。世界から観光客が集まる大阪城で、ホスピタリティと飲食の底力を見せたい。そのために東京から来ました」と意気込んだ。
もう1店、東京から出店したのは「黄金の塩らぁ麺 ドゥエイタリアン」。「ミシュランガイド東京」で3年連続選ばれた、女性に人気のイタリアンラーメンだ。とろりとしたチーズがアクセントの「らぁ麺フロマージュ」(1180円)が絶品で、夏限定の冷製トマト味も見た目からしてインパクトがある。
岡山からは「すわき後楽中華そば」が関西初登場。金ごまの香ばしい風味を生かしたラーメンに、山椒きな粉で辛みと風味をプラスするユニークなラーメンで勝負。叉焼が人気の「京都ラーメン 天天有」は、鶏と野菜を18時間炊き込んだスープが自慢。大阪で数店舗を展開する「上海まぜそば拌麺888」は、ジューシーな小籠包やゴマあんだんごもおいしい。このほか6月末には「ラーメン而今」と、北海道のスープカレー専門店が手がける「スパイスラーメン 点と線.」がオープンを予定する。
大きく取られた窓から大阪城を眺めつつ、焼きたてのステーキを頬張れる「和珀 WAHAKU」のステーキも、ラーメンと同じく気軽な食券制。特選和牛と特選黒毛和牛から選べ、リブロース、サーロイン、ヘレの3つの部位を100、150、200グラムからチョイス。価格は、ご飯とサラダが付いて2100円から。肉に付けて食べるこだわりの調味料を自由に選べるのが特徴で、刻みわさびや柚子胡椒、梅ペーストや藻塩など10種類が用意されている。
また「忍者を世界に発信したい」(溝畑理事長)という思いから、VRで忍者体験ができる空間「NINJA VR 弥助」が登場。大阪城に現れた魔物を手裏剣と刀剣を駆使して倒すというもので、より臨場感を味わえるよう、忍者衣装のレンタルも可能だという。
営業時間は11時から21時。インバウンド向けとはいえ、全国の人気ラーメンや日本酒、和牛ステーキが味わえるため、「大阪城ホール」でのコンサートの前にサクッと・・・など地元客も大いに活用できそうだ。
「大阪城下町 OSAKA JOKAMACHI」 http://emarche.co.jp/osaka/