家電量販店の「エディオン」が6月7日、南海電鉄・難波駅前に大阪の旗艦店「なんば本店」(大阪市中央区)をオープンした。
この場所は地元で長年愛された「精華小学校」跡地で、駅前の絶好地ということもあり以前から多くの注目を集めていた。2017年の着工以来、地元民からも工事の心配や人の流れが変わる不安などさまざまな意見が飛び交い、外から見ると緊張感いっぱいのオープンにも見えた。
しかし、オープン前におこなわれた内覧会では計算しつくされた商業施設が公開され、その緊張感は完全にかき消された結果に。まず第一に、ここは家電量販店ではなかった。1階から8階までそれぞれの売場が超個性的。話題のe-スポーツのブースやホームDIY、パウダールームなど、コンテンツエリアと言っていいフロア編集力で、それぞれのアイテムを各フロアのコンシェルジュがやさしく紹介する。
同社の久保允誉社長は、徹底して周辺の人の流れを分析したといい、「ネット販売が伸びるなかで店舗に足を運んでもらわなければならない。ここでは、体験・体感ができる店づくりで商品の価値を売る。店内のいろいろなものに触れて、さまざまな体験を楽しんでほしい」とアミューズメントフロアとしての魅力を強調した。
また、海外観光客に対しても免税コーナーや忍者パークなど独自のコンテンツを用意。さらに最上階には、全国からラーメン店を集めた「なんばラーメン一座」もオープン。「精華小学校」の校歌石碑や歴史年表などの資料コーナーも設けられ、しっかり地元の声にも応えている。
店内の注目は「キッズパーク」(7階)。レゴ、プラレール、リカちゃん、シルバニアファミリーなどのトイ&ゲームがそろい、体験コーナーは世代を問わず楽しめるスペースとなっている。なかでもプラモエリアには、アニメから城やバイク、ホンダ・フィットの自動車プラモまで、大人男性にも気になるものがズラリと並ぶ。
さらに、購入したプラモデルを組み立てられるビルドスペースも常設。製作工具がレンタルでき、撮影用の背景シートまで準備されており、あまりに充実した設備に驚きを隠せないでいると、店員さんは「フッフフ」と自信ありげに笑って道具を紹介してくれた。
同フロアには、実物大のコクピットでカメラ付きラジコンを運転できるブースをはじめ、モンスターハンターの実物大リオレウス頭部が展示されたカプコンブース、ドラゴンボールの実物大・孫悟空が飾られたフィギュア・エリアなど、子どもだけが利用するにはもったいない、大人にとっても楽しい場所なのである。このスペースの徹底ぶりが、多くの廃人を生みそうですごく怖い。
そして感動ポイントがもうひとつ。同ビルの窓からは、今まであまり見られなかった難波の景色が楽しめるのだ。同ビルから望めるのは、「大阪高島屋」の北東角から南の大阪日本橋に続く道、そして難波駅前のタクシー乗り場から御堂筋に続くエリアなど。これまでこの景色を見渡せるスポットは周辺に少なく、見慣れない風景に新鮮さを感じる。
開放的な窓があるのは、8階の「忍者屋敷」エリアや7階の「キッズスペース」エリア。また、6階の「ガチャガチャ」エリアに限っては、窓に向かってわざわざステップを1段上げているなどの、展望スポットがある。
もちろん鑑賞エリアではないので、じっくり居座るのはご注意願いたいが、大阪・ミナミを見渡せる絶好のポイントとしても注目したい。
(Lmaga.jpニュース・谷知之)