もみじちゃんは、母乳が出なくて育てられなかったから子猫に興味がなかったのか、単に子猫が嫌いだったのかは分からないが、植松さんのところに後に子猫が来ても無関心だった。
「普通、出産経験のある猫は、子猫の鳴き声がすると興味を示すんです。でも、もみじはまったくのマイペースで、無関心でした。普通は子猫がいなくなると探すんですが、子猫たちがミルクボランティアさんのところに行っても、探す素振りもありませんでした」
子猫には興味を示さないもみじちゃんだが、ごはんやおやつは大好きだ。自分から人に寄っていってスリスリすることはないが、なでても怒ることはなく、首を触られると喜ぶという。
植松さんは、不妊手術をしないと子猫ができるということを理解していないまま、野良猫にエサだけ与える人がいると言う。
「エサをあげていた猫が妊娠して、子猫を産んでから慌てて相談にみえるんです。不妊手術をしないと子猫ができるということをきちんと理解してほしい。うちに来てエサを食べて元気に育っているからいいというものではないんです」
エサだけ与えて、他のことは知らん顔という人がいると、いつまでたっても母猫が妊娠して、子猫が産まれるという流れを変えられない。猫のことを本当に可愛いと思うなら、不妊手術をして、地域猫を見守る必要がある。