小川氏は「帳場(捜査本部)でのやり取りは、現職時代を思い出させてくれる緊張感とリアル感があり、思わず引き込まれてしまいました。撮影チームもとてもまとまっていて、現場では脚本家の先生と監督のこだわりが非常にあって、ここまでやるの?というほどでした。私も質問攻めにあうことが度々あった」と明かし、「あらゆる場面で、細かいこだわりが描かれています。事件に関しても、ミステリーの中にも、人間味あふれる場面もある」と指摘した。
また、小川氏はキャストの魅力を語った。「寺島進さんの演技には、演技とは思えない、刑事の所作があらゆる場面で見られます。例えば、地域住民と触れ合う時の優しさと、ご遺体を前にした時の眼光鋭い表情とが全く違う。一つ一つの動きを通して、やはり刑事だなと感じさせる表現でした。江波さんと加倉井管理官(北村有起哉)のやり取りも見ものです。奥多摩署の緒方綾乃署長を演じる黒木瞳さんは美しい中にも非常に貫禄があり、署長として全く違和感がありませんでした」と振り返った。