37歳元銀行員の妻殺害事件 母親の殺人幇助罪の否定に矛盾点…小川泰平氏が指摘

小川 泰平 小川 泰平
痛ましい事件の真実は…(smuki/stock.adobe.comi)
痛ましい事件の真実は…(smuki/stock.adobe.comi)

 妻を殺害し、死体遺棄した殺人罪などに問われている元銀行員の弥谷鷹仁被告(37)と、殺人幇助罪などに問われた母の弥谷恵美被告(64)の初公判が22日に千葉地裁で行われ、鷹仁被告は起訴内容を認めたが、恵美被告は殺人幇助について否認した。元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は24日、デイリースポーツの取材に対し、殺人幇助を否定する矛盾点を指摘した。

 起訴状によると、昨年2月、恵美被告は息子の妻である麻衣子さん(30)の遺体を埋める場所として実家の敷地を提案。同3月1日にはショベルなどの道具を購入し、2日に鷹仁被告と一緒に庭に穴を掘った。鷹仁被告は4日に睡眠導入剤を混入したカレーライスを食べさせた麻衣子さんを乗用車内で絞殺。庭に掘った穴に埋めた。

 鷹仁被告は行方不明届を警察に提出し、「妻を探しています」というビラを配っていたが、小川氏は「連絡先に警察署の電話番号ではなく、自分のメールアドレスだけを記載するなど、自分が探しているというアピールだった気がします」と指摘した。

 鷹仁被告は「千葉県我孫子市内のコンビニで車から降りたまま行方不明になった」と警察に話していたが、周囲の防犯カメラに麻衣子さんの姿が映っておらず、同被告は事情聴取で犯行を自供。7月に実家の庭に埋められていた遺体が発見された。小川氏は「奥さんの家族は『4か月もだまされていたと、今も怒りが収まらない状態でした」という。

 弁護側は初公判で、恵美被告の殺人幇助について無罪を主張した。小川氏は「穴を掘るという“提案”をした段階では、まだ殺されていない。殺す前提で話を進めている。本来なら、親なら止めるべきです。一般的に死体遺棄する場所は山とか海とか川などが多いが、それを自分の家の敷地にした。逆に言えば、本人たちにとって一番安全な場所なんです。警察が介入しづらい。雨や動物に掘り起こされる等もない。“素人の考え”ではないと感じた」と語った。

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