都内在住の女子大学生(19)が昨年11月20日から行方不明となり、1月31日に死体遺棄容疑で警視庁に逮捕された茨城県神栖市の無職広瀬晃一容疑者(35)の供述から遺体となって発見された事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は同日夜、デイリースポーツの取材に対し、まだ不明な点が多い事件の経緯を検証した。
女子大学生は友人に「男性に会いに行く」と伝え、単身で都内のJR綾瀬駅から電車に乗って茨城県の鹿島神宮駅で下車。タクシーで神栖市内のコンビニ駐車場で降り、約14キロ離れた同市内の畑付近で携帯電話の位置情報が途切れていた。
その“男性”が広瀬容疑者だった可能性を踏まえ、小川氏は「それほど計画性が感じられない一方、男性は自宅の住所を教えずに途中のコンビニを指示していた可能性が高い。女子大学生はスマホを見ながらタクシーの運転手さんに『左に曲がって』などと言っていたということは、住所が分かっていなかったのだろう。途中で目隠しをされて-という目撃証言もあり、女性が近所の人に『ここはどこですか?』と聞いていたということから、睡眠導入剤で1度眠らされていた可能性もあります」と推測した。
そこから、同氏は「容疑者は当初から自分の自宅を教えたくはなかったと考えられる。自分の家は知られたくないという何かがあった。その“何か”を考えていたという意味での計画性はあったと思います」と指摘した。
同容疑者が「車の中で騒がれたので殺した。穴を掘って(土の中に)埋めた」と供述した場所から発見された遺体は31日夜、行方不明の女子大学生であることが確認された。小川氏は「必ずしも供述通りに車の中で殺害したのではなく、それ以前に殺害した可能性もある」とした。
同容疑者は女子大学生とインターネットの掲示板で知り合い、その日が初対面だったという。供述通りに殺害したのだとすれば、なぜそのような行為に及んだのか。小川氏は「普通の会話をしていれば騒ぐことはない。(容疑者が)騒がれるようなことをしたんだと思うんですね。これは推測ですが、例えば、本人が帰りたいというのに帰さなかったりとか、何かがあるはずです」と分析した。