5月とは思えない陽気が日本列島を覆っている。23日は各地で真夏日を記録し、24日はさらに高温が予想されている。となると、怖いのが熱中症だ。「日本一暑い街」として、「暑さ対策日本一」を掲げる埼玉県熊谷市では、昨年、熱中症予防のポイントを書いたトイレットペーパーを公共施設などのトイレに設置。今年は子ども向けに個数を倍の2万ロールに増やし、全小学校にも配るという。でも、なぜトイレ? 担当者に聞いてみました。
■熊谷市の担当者に聞いた
-トイレットペーパーで熱中症予防とは、気が付きませんでした。
「熊谷市では、市を挙げて熱中症対策に取り組んでいるんですが、メディアなどで発信するだけでは届かない人もいる。でも、トイレなら誰でも使うし、尿や便から自分の健康状態を最も手軽にチェックできる場でもある。ほっと一息つく時間に、自分でも簡単にできることを知ってもらえたら、と約1万ロールを作りました」
-どんな内容が書いてあるんですか?
「市や県のゆるキャラのイラストと一緒に『水分を取るときは一気にがぶ飲みせず、少しずつ』とか『曇りの日や部屋の中でも油断しないで』などの注意点や、熱中症の症状、熱中症かな?という人がいたときの対処法などを記しています。併せて医師の監修のもと、尿や爪の色で脱水症状が把握できるポスターも掲示しました。メディアやSNSでも取り上げられ、自治体や企業から問い合わせがあったほか、医療系大学の講義内容に加えたいというお話もありました」
-今年は子どもが対象ということですが。
「ええ。熱中症は、特に子どもとお年寄りがなりやすいといわれています。そこで子どもにもわかるように表現をやさしくしたトイレットペーパーを約2万ロール作り、7月から市内の全小学校にも配ろうという計画です。ポスターのデータも送る予定です」