思いきり汚してください!? 子連れ客に向けた“ほっこり系”絶妙ポップ設置のワケ

石井 隼人 石井 隼人
テーブルにさりげなく置かれたメッセージ
テーブルにさりげなく置かれたメッセージ

 幼い我が子を連れての外食。ゆったりと食事を楽しむはずが、気がついたら「こんなにこぼして…」「洋服が~!」と我が子に対してついついカリカリ。食事中は子供が食べ物を散らかさないようにと気が気じゃないし、隣の席のお客さんの目もなんだか気になる。ゆったりのはずが気分はもう戦場。そんなとき、こんな言葉を目にしたら?

 『お子様連れのお客様へ せっかくの外食なので…思いきり汚してください 店長』。

 このグッとくるメッセージ入りポップを店舗のテーブルに設置しているのは、株式会社ポポラマーマが運営するファミリーレストラン「ポポラマーマ」。国内で110店舗を展開している、ゆであげ生パスタ専門店チェーンだ。

 ポップには文字だけでなく、ワンパクそうな男の子が両手掴みで食事を楽しむイラストと、同店のキャラクターであるポポラさんの着ぐるみがクールなポーズを決めている写真がデザイン。さりげない気遣いと、とぼけたユーモアが入り混じった絶妙なポップだ。かくいう著者も、ふらっと立ち寄ったポポラマーマ豊島園駅前店で初めて目撃。隣の席で食事をしていた若い女性二人組もポップに注目し、盛り上がっていた姿が印象的だった。

 そんな“ほっこり系”ポップ設置に至る経緯を、株式会社ポポラマーマの営業本部キッチンマイスター マネージャー・湯田治氏に聞いた。

 「私自身も、2歳と2ヶ月の子供がおり、外食時は散らかさない様に等、気を使います。従業員の中にも小さいお子様がおり、同じように気をつかうとの意見もあったので、折角の外食で、そんな気を使わず、楽しい時間を過ごして頂きたい思いから取り組んでみようという事になりました」。

 クスッとさせるワードチョイスや温かみのあるポップデザインについては「気兼ねなくお食事を楽しんで頂こうと、誠心誠意ある気持ちをお客様に届ける為、中途半端な言葉ではなく、振り切ったインパクトのある言葉にしました。デザインは、子育てが終わった女性マネージャーが、親しみやすさをイメージして作成。ポポラマーマのパスタをお子様に元気いっぱいの笑顔で食事してもらいたいとの思いを込めました」。

 設置から3か月ほど経つが「お客様から“優しいお店”“感動した”等のお言葉をSNSで頂いております。スタート時は5店舗で設置しておりましたが、お客様からの反響も良く、弊社としても、お客様の中心が女性や家族であり、子育て世代のお客様を応援したい、気兼ねなく外食を楽しんで頂きたい思いから、母の日のイベントの一環として、関東を中心に直営店58店舗にて設置させて頂きました」。

 母の日のイベント終了後も千葉県の本八幡店、東京の平井店など多くの店舗で設置継続中とのこと。勇ましいポポラさんの肝っ玉姿と、優しいぬくもりが全店舗に広がることを期待したい。

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