ソーシャルホテルってなんだ?大阪の下町で営業のオーナーに聞いてみた

桑田 萌 桑田 萌
ソーシャルホテルとして重要な役割を果たしている1階のラウンジスペース
ソーシャルホテルとして重要な役割を果たしている1階のラウンジスペース

 大阪の港町、高速道路の高架下。商店街やスーパーや住宅が並び、多くの地元住民が行き交う。少し足を伸ばせば、工場が立ち並ぶ。そんな大阪の下町・弁天町に、「インスタ映え」しそうな雰囲気を醸し出しているユニークなホテルがある。その名は「HOTEL SHE,OSAKA」だ。

 2017年9月にオープンし、20~30代を中心とする多くの利用客が訪れてきた。特徴は、ゲスト同士はもちろん、ゲストとスタッフまでもがお互いに距離を縮めることができる空間作り。ホテルがプロデュースする独特の世界観を、そこに集う人々で共有する「ソーシャルホテル」という位置づけだ。

 運営しているのは、株式会社L&Gグローバルビジネス。会社経営を行っているのは現役の東大生、社員もほとんどが20代だ。「HOTEL SHE,OSAKA」のオーナーを務める富岡幸亮オーナーも20代。かつてホテルマンに憧れ、たどり着いたのがこの会社だった。「あえて若い世代に限定して採用しているわけではありません。発想やしたいことが豊富な方を採用していたら、結果的にそんな世代が多くなりました」と話す。

 「若くて社会経験が少なく、固定観念に縛られていない。だから自由で新しいアイデアがたくさん出てくるんです」

 ソーシャルホテルとして重要な役割を果たしているのが、1階のラウンジスペースだ。富岡氏は「このスペースの存在により、ゲストハウスという要素も打ち出すことができる」と話す。

 「ラウンジにいれば、ゲストハウスのように周囲の人と触れ合うことができます。しかしきちんとプライベートを確保できる客室もある。このコントラストが、我々のこだわりです」

 ラウンジに併設しているのは、愛知県豊田市発祥の本格カフェ「WORKBENCH COFFEE ROASTERS」の2号店。宿泊していなくても利用が可能だ。

 「アイドルタイムである昼間でも、地域住民の方に積極的に利用していただきたいですね」

 大阪だけでなく、同様のホテルが全国に5つあるが、いずれも地域の特色を生かしたホテルサービスを提供している。例えば、かつて文豪が多く訪れた湯河原では「原稿執筆パック」「積ん読解消パック」を用意。地域との関わりを密にするため、あえて都会ではない場所にホテルを作っている。

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