「まるで結婚のよう」譲渡会にピンチヒッターとして登場した猫、運命の出会い 

渡辺 陽 渡辺 陽

 杉本ミルちゃんは、淡い色合いの毛色がチャームポイントのパステル三毛猫。ある時、他の猫が出るはずだった譲渡会にピンチヒッターとして登場。そこで、現在の家族と運命の出会いを果たす。

多頭飼いしたい、でも迷いもあった

 大阪府に住む杉本さんは、キジトラの保護猫メメちゃんを飼っている。2018年6月、メメちゃんが2歳になった頃、上のお嬢さんが台湾に留学し、ご主人も単身赴任になった。息子さんと2人きりの生活で少し身軽になったことに加え、メメちゃんを飼って良かったという喜びと、猫が可愛いという気持ちが膨らみを増して、2匹目の保護猫を迎えたいという気持ちがだんだん強くなっていったという。

 「猫の譲渡サイトをいくつか見たのですが、多頭飼いしてみたいという気持ちとは裏腹に、大変なことも2倍になると、どこかでブレーキをかけていたんです」

 2匹になると、トイレのそうじやごはんのお世話も倍になる。2匹同時に病気になった時のことや経済的なことも頭をよぎったという。

 「先住のメメは、トイレのそそうもしないし、カリカリも美味しそうに食べてくれるけど、新しい子はどうだろうと、どの子にするか決めないうちから考えていました」

譲渡会に行ってみたら、どんどん話が前に進んだ

 杉本さんは、ある日「ネコジルシ」という譲渡サイトを見ていたら、いつもお花を買うネットショップの人が猫の保護をしていることが分かった。

 縁を感じて連絡してみると、その花屋さんが主催する猫の譲渡会が9月にあるという。

 「その頃はまだ、多頭飼いするデメリットとか、もっと可愛い子がいるんじゃないかとか、運命的な出会いがあるはずだとか、いろんなことが頭をよぎりました」

 しかし、息子さんと2人で譲渡会に行ったら、そんな迷いは一気に振り切れた。もんもんと頭の中で悩んでいるだけでは一歩も前進することができなかったが、譲渡会に行ったことがきっかけでどんどん前に向かって展開していく。当時を振り返り杉本さんは、「まるで結婚のようだった」という。

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