元トラ戦士西田直斗氏は理想のスーツ求め日々奮闘 矢野監督からのエール支えに

あの人~ネクストステージ

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 スーツの生地見本を手にする元阪神の西田直斗さん(撮影・永井優花)
 スーツの生地見本を手にする元阪神の西田直斗さん(撮影・永井優花)

 サンプル生地を入れたキャリーバッグを持ち歩く。注文を受ければ自らメジャーで客の寸法を測る。昨季限りで現役引退した元阪神内野手の西田直斗氏(26)がオーダースーツの訪問販売を自営している。

 衣料業界とは“縁”があった。「両親と姉がアパレルでして」。家庭環境も影響して幼少時から磨かれたファッションセンス。スーツに着目したのは現役時代の経験からだ。

 「(遠征の)移動の時に着ていて、ジャージーやスエットのような伸縮性のあるスーツがあったらいいのにと」。現役引退から今年3月まで、知人に紹介してもらった生地を扱う店などに足を運び修業を重ねた。

 野球漬けの日々と違う生活に苦労を覚えることも。それでも、今もしっかりと胸に残るものは矢野燿大監督からの言葉。昨年、2軍監督として指導してくれ、第2の人生へ歩もうとする時に激励のメッセージを送られた。

 「矢野さんからLINEをもらいまして。試合前の声だしをメインでやっていたのが僕で『その感じで頑張ったら、いい方向に行く。頑張ってくれ』と」。戦力外通告を受けたのは昨年10月6日の夜。宮崎でのファーム選手権で日本一を決めた直後だった。将から届いたエールが西田氏の支えとなっている。

 当時のチームスローガン「超積極的」が今も生きる。「三振しても『なんで三振したんや』とか絶対に言わない。そんな暇があるなら『次を考えよう』という監督」。ミスを引きずらず未来に目を向けることが大事だと教えられた。

 トライアウトを受験したのは両親らに“最後のプレー”を見せたかったから。社会人からオファーも来た。それでも違う道に進むと決めた。「野球と同じ。好きなことを仕事にできて幸せ」。生き生きとする姿はタテジマのユニホームを着ていた時と同じだ。(デイリースポーツ・折原良輔)

 ◆スーツ販売などの問い合わせは「Settedieci セッテディエーチ」(TEL080・1451・9385、メールアドレス settedieci.7010@icloud.com)

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