猫城主が備中松山城救った 愛くるしい表情に観光客数V字回復

逃走癖もご愛嬌だニャー

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 着々と猫城主誕生へ道が開かれていたが、11月に大問題が…。放し飼いのさんじゅーろーは、城内を自由気ままに歩き回り、時には遠出をして2、3日姿を見せないこともあった。その日、翌日に早朝から週刊誌の取材依頼があったため、相原さんが自宅に連れて帰った。車からさんじゅーろーを降ろしたところ、逃げ出したのだ。

さんじゅーろーを捜せ 市内にチラシ400枚

 相原さんはもちろん観光協会職員による大捜索が開始された。さんじゅーろーの写真と特徴を書いたチラシ400枚を市内に配布。地元住民に広く呼び掛け捜索した。何度も目撃情報は寄せられるが、なかなか見つからない。結局、さんじゅーろーが相原さんのところに戻ってきたのは逃走してから19日目であった。

 相原さんはこの経験から猫に対する知識を改めて習得し、管理上のルール作りが必要だと考えた。12月初旬には獣医師らも参加して「さんじゅーろープロジェクト会議」が開催され、今後の管理方針が決められた。これまでは放し飼い状態だったが、ストレスをためないために一定の場所での飼育が必要ということで、本丸にある五の平櫓(備中松山城管理事務所)にケージを置き、住居とすることにした。また、リードを付けて午前10時と午後2時に管理人とともに城内を巡回することも決定した。

 晴れて12月16日に「猫城主さんじゅーろー 再入城の儀」が行われ、正式に猫城主となった。公式グッズも発売され名刺までできた。人気は絶大。巡回時間以外も管理事務所を訪ねると、さんじゅーろーに会える可能性もある。相原さんは「さんじゅーろーとともにお城そのものの魅力も楽しんでもらいたいですね」と山城をアピール。戦国時代は激しい争奪戦が絶えず、目まぐるしく城主交代が繰り返された備中松山城。新しい元号の令和になってもしばらく、さんじゅーろーの城主が続きそうだ。

(デイリースポーツ・岩本 隆)

 ▼備中松山城 入城時間は9時から17時30分(10月から3月は16時30分)。入城料は大人300円、小中学生150円(30人以上の団体割引あり)。駐車場はシャトルバス(中学生以上400円)運行時は城見橋公園駐車場(五合目)を利用。ふいご峠駐車場(八合目)までシャトルバスで5分。そこから約20分で本丸へ。

 ▼問い合わせ 高梁市観光協会(TEL0866・21・0461)

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