ケンハモの由来は
子ども向けと思われていた鍵盤ハーモニカ。有名ミュージシャンの東京スカパラダイスオーケストラや椎名林檎さんがライブなどで演奏したことがきっかけとなり、大人も目を向け始めました。2000年頃、鍵盤数を37に増やした大人向けモデルを発売。08年には44鍵盤のアンプにつなげるエレアコモデルが発売され、ユーザーは増加の一途。前後して「ケンハモ」という略称が生まれ、授業でも先生が使うように。これが児童にも浸透したのでは、と多田さんは推測します。
ここまで読んで、しっくりこない方がいらっしゃったと思います。「ピアニカがあるじゃないか!」と。取材中、ピアニカという言葉は絶滅してしまったのかと思っていたら、それは筆者の勘違いでした。ピアニカはヤマハと東海楽器(ともに静岡県浜松市)の登録商標。今もしっかり健在です。
余談ですが、ピアニカのように登録商標が一般名称として浸透している商品は少なくありません。登録商標と一般名称の例を紹介します(カッコ内は一般名称)。
カラーコーン(コーン標識、パイロン)/セロテープ(セロハンテープ)/テトラポット(消波ブロック)/バンドエイド(ばんそうこう)/ホッチキス(ステープラー)/UFOキャッチャー(クレーンゲーム機)
ケンハの次は
小1生のケンハの宿題に終わりが見えてきた頃、「ケイドとカンドもやりなさいよ」とキッチンのお母さん。
「計算ドリルと漢字ドリルのことだよ」としたり顔の女児。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンをユニバに短縮してしまう関西人。普段使う言葉でもサイゼ、ロイホ、ミスド、ケンタ…。やっぱり3文字略語って便利ですよね!
【鍵盤ハーモニカ】起源は1959年のドイツ。ハーモニカやアコーディオン、シンフォニアムなどの楽器から派生したホーナー社の「メロディカ」が原型と言われる。日本では61年に鈴木楽器製作所が「メロディオン」を発売。ボタン式から鍵盤式に変化し、00年には大人向けモデルを発売。