元掛け子が語った!海外拠点の詐欺グループが高齢者を狙う手口 小川泰平氏が直撃

小川 泰平 小川 泰平
小川泰平氏は元掛け子を直撃した(takasu/stock.adobe.com)
小川泰平氏は元掛け子を直撃した(takasu/stock.adobe.com)

 当時の目標設定は6人で週1000万円。「達成すると、週末に豪華な食事やキャバクラに連れて行ってくれた。自分たちが行く2年前までは桁がゼロ1つ多かったと言っていた(週1億円)」とA氏。小川氏は「うまくいくと20%の報酬を現地の中国人が日本円で持ってきてくれた」と補足した。A氏は帰国後も掛け子を送り込むまとめ役もしていた。

 小川氏は「以前は中国だけだったが、3年前に摘発があったことから、最近はタイやフィリピンに拠点が移っている」と説明。同氏は「掛け子は日本の警察の手が及ばないために海外に行く。一般の日本人が多いリゾート地では怪しまれない。逮捕されるのはほとんど、日本にいる受け子。ボスの顔など組織系統を知らされていないので捕まっても分からない。A氏もボスから『受け子は未成年がいい』と言われていたそうです」と解説した。

 最近も、タイ・パタヤの住宅を拠点に日本の高齢者を狙って電話をかけていた日本人の特殊詐欺グループが摘発された。被害額は今年2月だけで約1億3700万円になるという。A氏によると、海外からの掛け子の電話には、日本での着信表示を自由に変えることができて、警察署の番号を表示させるように設定をしていたこともあったようだ。

 小川氏は「A氏によると留守番電話になっていると諦めたということです。また、録音するというアナウンスの出る設定にすること。自宅にあるタンス預金をしている高齢者が狙われる。ご本人はもちろん、ご家族の方がこういった電話をプレゼントしたり、土日などに実家を訪ねて話をしてあげることが大切」と防御策を訴えた。

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