樋田容疑者は現在30歳。40歳過ぎまで刑務所で自由を失った生活を過ごすことへの絶望感にさいなまれ、「何としても、どんな違法なことをしても逃げたい。場合によっては人を傷つけ、殺してでも逃げ切りたい」と犯行に及ぶことを府警側が予測するのは可能であり、従って逃走を許した府警に傷害や殺人などの結果についても過失責任があるとの論を立てることができるという。
その論に従って、被害者側としては国や地方公共団体の賠償責任について規定した国家賠償法に基づき、府警の過失責任を追及することは論理的には可能であると北村弁護士は述べ、「裁判所は非常に悩む事案だと思います」と難しい判断となるとの見通しを示した。