人は何歳まで生きられるか?平均寿命と健康寿命の差を短くしたい

ドクター備忘録

松本 浩彦 松本 浩彦
人は何歳まで生きられるのだろうか…
人は何歳まで生きられるのだろうか…

 年が明けて、私も還暦(数え年)を迎えてしまいましたが、思い返してみれば私が子供時代の還暦の人って、もっとお年寄りに見えていたような気がします。それもそのはず、私が生まれた1960年当時の日本人の平均寿命は男性で65歳、女性で70歳でした。それが今や男が81歳に女は87歳。いったいこの先どこまで伸びるのでしょう。

 「固有代謝率」という計算方法がありまして、呼吸数・心拍数・グラム体重あたりの仕事量などから動物の寿命を科学的に計算すると、平たく言えば「体の大きい動物ほど寿命が長い」という結論が出ます。ところが人間と、なぜかコウモリだけはこの法則に当てはまっていません。固有代謝率から計算すると、人間の限界寿命は26年しかないのです。

 でも縄文人の平均寿命は31歳、江戸時代の国民平均寿命は44歳と言われています。ですので江戸時代の女性は更年期障害を知らない。江戸時代の医学書には五十肩のことを長寿肩と記されている。今の日本人のご長寿は、医療の発達と世界に冠たる日本の国民皆保険制度の賜物と言えるでしょう。

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