東大卒の元Jリーガー、社長で「昇格」夢追う

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Jリーグ参入に向け「打てる手はすべてやりたい」と語る添田社長。資金調達などのために奔走する(京都市南区・吉祥院公園球技場)
Jリーグ参入に向け「打てる手はすべてやりたい」と語る添田社長。資金調達などのために奔走する(京都市南区・吉祥院公園球技場)

 将来的なJリーグ参入を目指すサッカークラブ「おこしやす京都AC」の社長に、東京大卒の元Jリーガー添田隆司さん(25)が就任し、常勝に向けたチームの環境づくりと資金集めに奮闘している。大学で学んだ経営についての知識とプロ生活の経験を生かし、新たな夢を追いかけている。

 東京都出身で、筑波大付属高2年の時、所属していた関東のクラブのユースチームで全国大会に出場、東大には現役で合格した。サッカー部で主将を務め、中盤の選手として豊富な運動量を武器に活躍。経済学部で経営戦略などを学び、大手商社の内定を得た。

 プロ選手は目指していなかったが、大学4年の冬に転機がきた。J3藤枝MYFC(静岡)の練習に参加したところ、選手兼社員にならないか誘われた。悩んだ末に「ここでやらなかったら一生できない。キャリアを積みながらサッカーでも上を目指せる」と、商社マンの道を諦め、加入を決断。史上2人目の東大卒Jリーガーになった。

 午前中は練習、午後は資金調達のために事業計画を考える日々。「練習の強度が違う。判断のスピードも求められる」と2シーズン余りプレーしたが、出場はJ3の計10試合にとどまり、2017年8月、おこしやす京都ACの前身・アミティエSC京都に移籍。経営に専念するために引退してフロント入りし、昨年12月に社長に就いた。

 おこしやすのトップに就いて2カ月余り。チームは現在、5部リーグに相当する関西リーグ1部で戦い、昨季は8チーム中2位。4部に当たる日本フットボールリーグ(JFL)昇格を懸けた全国大会で敗れ、あと一歩届かなかった。自身もJFL昇格を逃して現役を引退しており、スポンサー集めや、外国人を含めた選手補強など、昇格を目指すチームづくりに力を入れる。

 「京都から2チーム目のJクラブ誕生」に向け、選手やスタッフ計約40人をまとめる。経営方針や選手獲得の最終判断など責任の重さを感じつつ、「選手経験が役立ち、現場で選手がどういう気持ちになっているのか、リアルに分かる」と語る。JFLをステップに、その上のJ3までは最短2年で駆け上がれる。「自身のことを考えていた現役時代よりも、チームを勝たせたい気持ちが強くなっている。打てる手はすべて打ちたい」と熱く語った。 

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