「世界の盗塁王」を好きすぎるトイプードルがいた 宝塚生花店の看板犬

岡部 充代 岡部 充代

 「なぜでしょうね。理由は分からないんですけど、とにかく福本さんのことが大好きで。だから私たちは、福本さんが来られると『ほら、ダーリンが来たよ』って言うんです。トムは男の子なんですけどね(笑)」と飼い主さん。

 子犬のとき、お散歩の途中で初めてオヤツをもらったのが“おじさん”だったから、おじさん好きになった説もありますが、それにしても福本さんへの愛情表現は尋常ではありません。取材当日も立ち上がって“キスの嵐”でした。

 あまりに積極的なトム君に、福本さんは少し引き気味のようにも見えましたが、決してトム君の片思いではありません。二人(一人と一匹)は相思相愛です。定期的に宝塚歌劇の観劇に訪れるという福本さんが、開演時間に余裕を見て必ず生花店に立ち寄るのは、他ならぬトム君に会うためです。

 もともと犬が好きで、ご自身で飼っていたこともあるという福本さん。「犬には大体、好かれるね」と当然のように言われましたが、世界の盗塁王からは、犬に伝わる何か…オーラのようなものが出ているのかもしれません。

 トム君は飼い主さんにとって4代目となるトイプードル。生後2カ月くらいから飼い始め、「家に一人ぼっちはかわいそう」とお店に連れてくるようになりました。宝塚界隈ではかなり有名で、タカラジェンヌOGのブログなどに登場することもあるそうです。

 看板犬歴10年の大ベテランは、カメラを向けると小首をかしげて愛らしいポーズを取ってくれます。きっとあなたのことも歓迎してくれるはずですが、福本さんと来店が重なると、見向きもしてくれない可能性大なのでご注意を。(神戸新聞特約記者・岡部充代)

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