「百貨店が元気なうちに何かを残そうと、失敗してもいいからチャレンジしています」
最初に試みたのは、江崎グリコの高級版ポッキー「バトンドール」と亀田製菓ハッピーターンの高級品「ハッピーターンズ」。続いて同社の「柿の種プレミアム」も販売した。UHA味覚糖と共同開発したグミ「cororo」は“まるで果実”と大好評。これらのオリジナル商品はお土産、贈り物としても喜ばれている。
今年に入ってからは総菜に挑戦した。日清食品とのコラボで、好みのスープと具材をカスタマイズできる未来のカップヌードル「モモフクヌードル」を開発。さらにハウス食品と組んで、カレーパンを売り出した。商品名の「カレーパンノヒ」は「子どものころ、カレーを食べたあの日の喜びを思い出してほしい」とハウス側から提案があった。
「しかしね。大きさ、形、具材の量など、何度も試作し試食しては失敗の繰り返し。スイートスポットをみつけるため、こんなに太りました」
苦労もお客さんの笑顔で報われる。そんな独自商品の第11弾として、5日からオタフクソースを使った新店舗「oh!!sauce」をオープンさせ「お好みソース饅頭」を販売する。これはハンバーガー感覚の大きさで手軽に食べられるのが売り。6種類あり、税込みで1個220~270円となっている。
「阪急用につくってもらった固形ソースがどろっと溶け出してくるのが特徴。間違いなくヒットすると思います。メーカーさんの強みと、われわれ小売りの強みをいかして、相乗効果が生まれ、好循環になれば。これからもオンリーワン商品をつくって、お客様に喜んでもらいたい」
馬場さんの鼻息は荒かった。“阪急の1人勝ち”ともいわれる大阪の百貨店業界。その理由はこんなところにあるのかもしれない。