ネット動画の時代に映画館は生き残るのか あるシネコン支配人の見解“動画配信は仲間”

宮本 裕也 宮本 裕也
「動画配信サービスと映画館は仲間」と語るOSシネマズミント神戸の支配人・伊川泰史さん
「動画配信サービスと映画館は仲間」と語るOSシネマズミント神戸の支配人・伊川泰史さん

 -Netflixは映画館にとって脅威ですか?

 「脅威ですよ(笑)。でも映画館に求められているのも変化していますね。先日、友人のある話に納得していました。“映画館には時間を求めている”と」

 -時間ですか。

 「現代人は常にスマホやパソコンの通知に追われている。映画館では電源を切ることで何にも邪魔されない時間ができあがる。映画館に映画を観に来ている人はそんな“非現実”を体験したいらしいんですよ。動画配信サービスにはその強制力はない。その体験を映画館としては強く発信していきたいですね」

 -ネット配信サービスにされたら困るっていうのはありますか?

 「動画を見るためだけのハコ(場所)を作られたら困りますよね。安い入場料で良いコンテンツを大スクリーンで観ることができる。映画館の仕事がなくなれば僕も作りたいくらいですよ」

 -動画配信サービスに求めるもの。

 「心が豊かになる、自分の子どもに観せても良いような映像を待ってます。ただ『アリー/スター誕生』(監督:ブラッドリー・クーパー/アメリカ』はぜひ当館で観てもらいたいですね。心が豊かになりますよ。これぞ映画館でしか味わえません」

  ◇  ◇

 “映画館”支配人の立場は忘れない。それでいて、動画配信サービスは「仲間」で、さらに良質なコンテンツをもっと作ってほしいとも願う。ひとりの「映画好き」だからこその答えだった。

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