溢れる情報…“実行”する前に考えよう

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
熱い日が続きます…熱中症にはご注意を
熱い日が続きます…熱中症にはご注意を

 最近、著名人の大病がマスメディアで頻繁に報じられ、健康への関心が今まで以上に高まってきている印象を受けます。それに伴って、健康に関するさまざまな記事などをよく目にします。ただ、それらを“実行”する際には、よくよく考えてほしいのです。

 今、熱中症が懸念される時期ですが、こんな患者さんがいました。夏なのに血圧がどんどん上昇してきて、不思議に思って話を聞いたところ、好きでもないのに梅干しを食べていたとのこと。熱中症には、塩アメや梅干しがいいなどの話がテレビ番組で紹介され、それを忠実に実行したのです。梅干しを食べるのをやめてもらうと、血圧はあっという間に低下していきました。

 ある人は、「先生、熱中症や、点滴して!」と来院されました。よくよく診察してみると軽い脳梗塞でした。他にも熱中症を疑って来られた患者さんがいましたが、感染性胃腸炎であったり、気管支炎であったり、めまい症であったり…さまざまなケースがありました。熱中症の特集番組が組まれた翌日には、このように自分で診断をつけて来院する患者さんがたくさんおられます。それ自体は決して悪いことではないのですが“思い込み”は怖いということです。

 別のケースもあります。ある患者さんが足のむくみを主訴に来院されました。話を聞くと、テレビで水を2リットル飲みなさいと言われたと…。心不全の傾向があったり、腎臓が悪い人、高齢の人が2リットルもの水を飲んでしまうと大変なことになります。

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