紅白の欅坂メンバーに起こった「過呼吸」…原因と対処法は

町医者の医療・健康コラム

谷光 利昭 谷光 利昭
 ポーズをきめる内村光良(中央)の脇で倒れる欅坂46のメンバー=17年12月31日、NHKホール
 ポーズをきめる内村光良(中央)の脇で倒れる欅坂46のメンバー=17年12月31日、NHKホール

 もし、近くにこのような人を見かければ、背中をさするなどして安心感を与えながら、ゆっくりと呼吸をすれば落ち着くことを説明して、呼吸回数を減らしていくことが大切です。以前は、ペーパーバッグ法といって、紙袋で口と鼻を覆って、自分の呼気に含まれている二酸化炭素を再吸収する方法が促されていましたが、現在は低酸素血症を誘発する可能性があるので、推奨はされていません。

 今回の紅白歌合戦で、女性グループの方たちには相当のプレッシャーがあったのでしょう。不安が不安をよび、呼吸回数が増え、さらに二酸化炭素が体内から消失するといった悪循環に陥ってしまったのでしょう。

 ストレス、緊張などが原因となっていることが多いので、過換気症候群の患者さんを見つけたら、とにかく不安を取り除いてあげることが先決。それから、ゆっくりと呼吸をするように促してみましょう。それでも、ダメなら病院を受診してください。軽い安定剤を投与することにより、すぐに症状は改善します。

 過換気症候群を繰り返すようであれば、ストレス、緊張の原因を除去するために、カウンセリングを受けたり、軽い安定剤をしばらく内服することも一つの方法です。症状が強いので、初めて経験した患者さんはびっくりすると思いますが、もし似たような状況に遭遇すれば、上記のことを思い出し、参考にして頂ければと思います。

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